なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

文化創造への起点 村文保委活動のあらまし

1971年7月、佐敷村文化財保護委員会発足以来、保護委員会は、有形、無形文化財の発堀、調査・育成、発表を重ねて来た。
佐敷村は、第二次大戦による破壊がひどく各字多くの建築物家財が消失した。各字入りして灰の中から生き残った土帝君、井戸、石畳、お墓などの石造建築や瓦葺きの殿、住宅などを調査記録して来た。これらには「文化財を大切にしましょう」の標柱を立てて、人々にその大事さをお知らせした。
このほか、繊物、パーキ、石臼、あぶみ、木臼など色々な生活用品や生産用具なども集め、或は心ある方々が寄贈して下さった。
各字まわりの話合いでは、古老や有志の方々が積極的に協力され、その字の住民の歴史とともに働いて来た様々の行事や歌、道具、踊りなどが発堀された。これらのものを発表し、村民の皆さんに理解してもらうために、文化まつりを四回開催した。建物などの有形文化財の写真、民具民芸品の古いもの、現在の作品、道具、絵画、彫刻、写真、書道などの展示とともに各字から見事な「舞台芸能」の発表がなされた。文化まつりの時には、反対のための反対をする向きもあるとのうわさもあったが、各字の区長さんはじめ志ある出演者の御力で毎回盛大に挙行された。
これらのものをまとめて、文化財要覧も発刊され、各方面の好評を得ている。まだまだたくさんのやるべき事があるので、全委員、事務局職員も一生懸命がんばりたい。
なお、今まで村当局の積極的な御力と、村議会、各字の区長さん、出演者、専問委員の皆さんの御努力に感謝するとともに、今後の御力ぞえを御願いしたい。今年は佐敷上城の発堀調査が行われるが、委員会は全力をあげて取り組み、今までの他の文化財調査資料をまとめたり文化財指定、保護育成に努力したい。各方面の御協力を御願いする次第である。

村文化財保護委員長 瀬底正俊

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000471-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第55号(1979年1月)
ページ 3
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1979/01/15
公開日