生活基盤の確立へ 佐敷村長 山城時正
村民のみなさん、あけましておめでとうございます。
輝かしい昭和54年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げるとともに、みなさまのご健康と限りないご繁栄を心からお祈り申し上げます。
ご承知のように、昭和53年は、長期不況に起因する失業者の増大、円高による企業の構造倒産、など日本経済をとりまく情勢は厳しいものがありました。
とりわけ本県においては、他府県と比較して約三倍の高い失業率、持続的な物価高騰で村民は苦しい家計のやりくりに頭を悩ました1年であったと思います。
みなさんの家計が苦しいのと同様、地方自治体にとりましても歳入面制約が大きい反面、委任事務の増大、住民要求の多様化と、質的、量的変化による財政需要の増大で、財政は前年同様逼迫するという、厳しい年でありました。このような長期不況の中にあっても村民生活の基盤づくりための各事業が計画通り執行できましたことは、村民並びに議員各位の積極的なご協力とご理解の賜ものであり、衰心より厚くお礼申し上げます。
さて、昨年度における大きな事業は、生活環境の整備を重点とした各部落の道路舗装、生活排水の整備であります。
特に本事業の推進にあたっては、地域の特殊性を十分考慮し議員、区長の協力体制で実施要綱を作成、地主の皆さんのご協力を得て極めて短期間に完遂できましたことは、誠に同慶にたえないところであります。
次に、沖縄県の町村では初めての本格的近隣公園として新開公園が四月にオープンし、村民の憩いの場として広く利用されています。冨祖崎公園(仮称)の一期工事も一月から着工のはこびとなっております。
教育文化の面では、小学校西側校舎の整理統合を重点に、三階建の校舎新築に着手、去る12月には完成し、三学期からは全校生徒が東側のすばらしい校舎で勉強できます。
さらに、本村の社会教育、文化財保護の活動も、地域に根をおろし一段と充実しつつあります。第四回文化まつりや、体力づくりスポーツ大会も年々参加者が増え、村の行事として定着しつつあり、村民一体となって推進していきたいと思っております。
農業基盤整備につきましては特に、他県に大きく立ち遅れた土地改良事業などの整備を急ぎ生産基盤の拡大、若い農業後継者の“受けザラ”の整備を具体化していきたいと思っています。浜崎川の県営かんがい排水工事も二月頃には完成する予定であり、今後とも本村の立地条件を勘案した農業、畜産の振興を積極的に推進していきたいと考えています。
また、これまで懸案となっていました村表彰条例を制定、去る12月26日第1回村功労者表彰式典を催し、これまで村勢発展に尽力されました10人の方々を、多くの村民の祝福を受て表彰できましたことは最大の喜びとするところであります。
いま、昭和54年の年頭にあたり、明日に伸びる豊かな村づくりをめざして村政を推進していきたいと決意を新たにしております。
村政に対し、倍旧のご協力を賜わりますようお願い申し上げ村民各位のご多幸を祈念して新年のごあいさつといたします。
村民福祉に全力を 佐敷村議会議長 知念慶得
村民の皆様、希望溢るる輝かしい新春は身も心も清く若々しくお迎えになったこととお慶び申し上げ、ここに謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
さて、不肖私昨年9月一般選挙後の初議会において図らずも議長の要職を与えられ、その重責を痛感し決意を新たに徴力ながら誠心誠意努力しているところでございます。お蔭をもちましてこれまでの議会も円滑に終えまして大過なく年を越し、新しい年を迎えることができました。これもひとえに村民皆様の心からなるご支援とご協力の賜であると感謝申し上げます。
なにとぞ本年も尚一層のご指導とご助言を賜わりますようお願い申し上げます。
観みますれば復帰から早七年の歳月を経ましたが、やはり生活必需品の高騰や、相次ぐ公共料金の値上げ、企業の倒産等による失業者の増大に伴って、日常生活はきびしく複雑多岐にわたる諸問題に直面した中で、村執行部はもとより当議会におきましても、常に村民の福祉増進のために鋭意努力を重ねてきたつもりでございます。
先づ幼稚園舎の新増築工事を始め、小学校老朽校舎の新増改築工事、生活環境整備工事等でありますが、特に、この一大事業につきましては、村民及び業者の深いご理解とご協力によって事業がスムーズに運び、予算の都合により一部を除きその目的を達成し、53年を締めくくることができましたことを村民と共に喜びにたえません。末執行の分はできるだけ早期に整備ができるよう努力し、村民が等しくその恩恵が公平に溢するよう一段の努力を傾注して、その実現のため最善を尽す所存であります。
ご承知のように如何なる事業をもいざ施工の段階で諸々の問題はつきものでありますが、これも村民皆様のご理解とご協力次第によっては容易に解決ができ、その成果が得られ村の発展に大きく寄与するものと思います。特に本村では保安灯の増設と道路、側溝が整備され有形無形の面からも一応の住みよい村づくりは形成したものと思います。今後共ご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げる次第であります。又本村は昭和52年3月の議会定例会において村発展のための指針として総合計画・基本構想が議会の議を経て策定されております。その基本構想に基づき現在基本計画案を審議委員によって検討が続けられているところであり、次の段階では実施計画が策定され調和のとれた事業計画が示されるものと思います。
このようにして、本村のなすべき事業は山積しこれからであります。例へば福祉施設と教育施設の充実、農業基盤の確立、港湾整備等の問題を数多く控えており、去った53年に増して一段と気を引き締めると同時に、自覚を新たにその実現のため全力を傾注する所存でありますので、何卒倍旧のご協力を賜りますようお願いを申し上げ次第であります。
そこで昭和53年を締めくくると同時に反省し、昭和54年の新らしい年の始めに当り所感の一端を申し述べ、羊年は村民皆様にとって最良の年でありますよう祈念申し上げ、新年のごあいさつといたします。