明けましておめでとうございます。
新しい年を迎えると、なんとはなしに新しい期待と願望を抱かされる。とくにことしは、慢性的な不況、企業倒産と失業者の激増、といったきびしい〃寒気団〃が居すわる中で新しい年、昭和54年を迎えるだけに、それだけそうした感じが強まるのかもしれない。
しかし期待や願望は、他人(ひと)頼みにしては当てがはずれる。まして「不確実性の時代」が流行語のように語られる現代では、なおさらそうであろう。
そこで、新年に当たって抱く期待と願望は、まず自分が達成したいと念じている、自分の目的のうえにかかげられるものでありたい。別にいえば、自分が主体的に取りくむ課題の解決に明るい展望ひらける新年でありたい。
しかし、目的の達成には、いうまでもなくその努力がなければならない。そしてその努力はまた、周到な計画の用意を必要とする。ことわざにも〝一年の計は元旦にあり〟といっている。新年を迎えて心明かるくはれているとき、この一年に傾注すべき努力の段どりを、しっかりと立てようではないか。
さて復帰八年目を迎える沖縄にとって、昭和54年は振興開発計画を見直し、第二次振興開発計画の策定に向けて始動する重要な年だといわれている。
村政にあっても、これからの村づくりの指針となる「基本構想・基本計画」がスタートする初年度である。基本構想は、その理念として①自然を大切に守り育てる。②教育を太事にする。③農業、水産業を第一とする。④高齢者や子供たちを大事にする地域計画。⑤一人一人の村民の自主性を尊重する。
の五つの柱を掲げ、村の振興の基本方向を示している。さらに基本計画の中で、具体的な事業が年次ごとに計画され実施の方向が明らかにされるが、基本課題として次のことが提示されている。
一、基礎的条件の整備
自然環境の保全、市街地・集落の整備、道路や水道等、基幹となる条件整備を行なうこと。
二、農業を基本とする産業の振興
農業生産基盤酬の整備、経営の合理化、作目の多様化等の農業振興をはじめ、畜産、水産業、地場産業、製造加工業、商業等の育成をはかること。
三、社会福祉の充実
社会福祉施設の整備と福祉の風土づくり。
四、生活環境の整備
廃棄物処理、し尿処理、集落内畜舎、医療等の整備充実
五、教育文化の向上
学校警襲、社会教育施設、文化財の整備、および文化活動の育成
六、拠点事業の推進と体制強化
村振興の拠点事業の推進とそのための役場内部をはじめ農協、その他の組織体制の強化。以上六つの基本課題を軸に、各項目ごとの諸事業が進められるが、計画が単に絵に描いたモチになってはならないし、そのための〃受けザラ〃の整備が急務である。村民が一体となって、明日の村づくりに積極的に参画し、調和のとれた活力ある佐敷村の建設に遇進しよう。