なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

午年を躍進の年に

いま、昭和53年を迎える。今年は午年である。「うま」は昔から“神馬”“天馬”と言われ、私たちの生活を支えてきた一番身近な動物であるから、多分に今年はわが佐敷村にとっても“飛躍”の年になるものと確信する。とはいうものの、円高ショックの嵐が吹き荒れ、不況と失業者郡が後追いした昨年。経済面の苦しい状態がつづいていることは、村民各位が周知のとおりである。しかしたとえどういうことがあろうと、村民の生活を守ってもらう村政をしてもらわねばならぬ。もちろん、自然と文化を調和させるための政策と、それは並行すべきである。ここに行政の責任を負う山城時正村長と、議決機関の瀬底正麗議長に“新年の抱負”を語ってもらった。村民と共に歩む政治が一層充実することを祈る。

基本構想の実践へ 佐敷村長 山城時正
村民の皆さん、あけましておめでとうございます。
輝かしい昭和53年の新春を迎え、みなさんのご健康を心からお祝い申し上げますとともに、平素からの村政に対するご理解とご支援に対し、深く感謝申上げます。
私は、去る9月の任期満了にともない、村民の皆さんの絶大なるご推挙により、無投票当選の栄に浴し、再び佐敷村政を担当することになりましたことに対し、衷心よりお礼を申上げるとともに、心を新たにして、豊かな佐敷村政を築き上げるために、九千余村民の総意を結集し、村民参加の行政をすすめてまいりたいと思っております。
昨年は、みなさん方のご協力のもとに、村づくりの基礎となる道路、生活排水、公園、農業基盤の整備、教育施設の充実などの諸事業も順調に進捗して参りました。
昭和53年の年頭にあたり、私は、村政担当者として初心を忘れず、絶えず自己革新するとともに、これまでのやり方に固定しない、すなわち、創意工夫に不断の努力を傾注し、豊かな村づくりのために、人間優先の村政を積極的に推進していきたいと思っています。
今年度は、特に、7月30日に実施される交通方法の変更に対処するため、交通安全対策を最大の課題とし、村道及び農道の整備充実を図り、村民が安心して生活出来るよう一層努力する所存であります。
二期目就任のあいさつの中にも申し上げましたが、私の基本姿勢として、まず①村民との対話(村民との対話の中から、村民が何を望んでいるかを吸収し村政に反映させていく、いわゆる村民総意の村政を築き、村民福祉を図る)②反戦平和③自然環境の保護-を三本柱とし、基本施策としては、①教育文化の振興②村産業の発展充実③村民福祉の充実④生活環境の整備⑤青少年の健全育成⑥村民の健康管理と体力の増進⑦公共施設の整備充実-の七本柱を最重点に、豊かで住みよい佐敷村の建設に全力を傾注し邁進したいと思います。
佐敷村の将来の展望にたった「総合計画、基本構想」も策定され、今後は、年次的に具体化していく予定であります。
そこで私、村政担当者として、村民のみなさんに、お願い申し上げたいことは、いくら立派な計画立案をしても、実施の面で、村民の皆さんのご協力がなければ、何一つ遂行出来るものではありません。
村民大望の、豊かで明るい、住みよい村づくりのため、旧年に倍し、ご協力くださらんことを心からお願い申し上げ、新年のごあいさつと致します。

和衷協力の精神で 佐敷村議会議長 瀬底正麗
村民のみなさま、希望溢るる輝かしい昭和53年の新春を迎えられ、咲き競う白菊の如く清く美しく力強くスタートなされたこととお喜びを申し上げるとともに、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
不肖私、議長就任以来4ケ年目の新春を迎えましたが、その間微力ではございましたが常にその重責を痛感し、円満な議会運営と村政の伸展のために意を注ぎ、過去3年余努力を重ねて参ったつもりでございます。
このように過去を反省し尚一層の希望を抱きながら越年することができましたのも、ひとえに村民のみなさまから寄せられた暖かい御指導と御協力の賜であり、心から感謝申し上げる次第であります。
顧みますれば昨年は、相次ぐ諸物価の上昇と公共料金の値上りなど日常生活に一段ときびしさを増す上に、不況による中小企業の倒産、軍民雇用者の大量解雇による失業指の増大等、深刻な問題が押し寄せ多事多難な年でありましたが、幸にして本村においては「村民福祉の充実「生活環境の整備」「教育環境の整備」「産業の振興」を柱としてその他諸々の整備事業がスムーズに竣工、または現在進められつつありますことは大変喜ばしいことでございます。
また、本村が永年にわたり懸案事項であった総合計画、基本構想(案)が、審議会による慎重審議を経て昨年三月議会定例会において更に審議の結果可決になりました。今後は、この基本構想に基づく実施計画によって体糸化され山積している諸問題が計画的に実施できるものと期待しております。
このように基本構想に則り諸事業が進められるものと思いますが、尚一層村民の生活環境を整え村民が等しく文化的生活が営めるよう、執行機関と議決機関が車の両輪の如く回転し、真剣に取り組み、村民の願望が叶えられるよう最善の努力を尽す所存であります。
山積する難問題の解決に当っては、村民みなさまの深い御理解と積極的なる御協力が要求されるのでありまして、全村民みなさまが「和衷協力」の精神を発輝されることによって、如何なる難問題も容易に解決され所期の目的が達成できるものと確信します。御協力賜りますようお願い申し上げます。
昭和53年は輝かしい午年に当り、馬の如く勢よく目的を目指して前進し、決意を新たにして村の発展のために全力を傾注する考えであります。
昭和53年の新しい年の始めに当り所感の一端を申し述べましたが、村民みなさまに限りない幸福が訪れ、最良の年でありますよう祈念申し上げまして、年頭のごあいさつといたします。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000467-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第50号(1978年1月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1978/01/01
公開日