村民のみなさま、明けましておめでとうございます。
輝かしい昭和52年の新春を迎えるにあたり、謹しんでみなさまのご健康と限りないご繁栄を心からお祈り申し上げます。
村政を相当する者として、昨年は、村民ひとりびとりが、村政に対し寄せられたご指導ご協力のもと、村政を円滑に運営できましたことを深く感謝申し上げます。
昨年は、末期的低成長下の日本経済の中で、失業者の増大、物価問題など社会不安は解消されることなく、村民生活は苦しくなるばかりでございました。
また、地方自治体にあっても、住民要求の多様化と、質的変化による財政需要は増大し、財政が逼迫するという、厳しい年でありました。
このような厳しい状況の中で産業、教育、福祉の向上など村民要求の実現を図るべく、財政を効率的に運用することで最大の努力を傾けてまいりました。
幸いにも、村民の絶大なるご協力によりまして、当初計画しました諸事業も、計画通り順調に執行でき、村民のみなさまに心から厚くお礼を申し上げるしだいでございます。
今年は、私たち県民が、幾多の苦難を克服して勝ち取った復帰5年目の年であります。
復帰に際し、28年余の米軍占領がもたらした行政的空白、特に住民福祉、公共施設の整備などの立後れを、他府県並みに格差是正するため立法化された、復帰特別措置法のきれる年であります。
ところが石油ショック以後の長期インフレ、失業や雇用不安是正されぬ産業構造のゆがみ、進展しない戦後処理、はかどらぬ格差是正など、”沖縄の矛盾”はますます拡大し、各面に深刻な問題を露呈しつつあります。このような現状を克服するには、国の沖縄に対する特別措置のなかみを、もう一度見直し、県民が一体となって努力していかなければならないと考えております。
私は、昭和51年度の施政方針の中で「すべて村民が健康で、文化的な生活を営むことができるよう、生活環境を整備し、村民ひとりびとりが将来に向って希望の持てる、特に若い人びとに魅力ある村づくりを強力に推進していきたい」との村政の基本姿勢を申し述べ、村民に対するご理解とご協力を要請、昨年度に引き続き生活環況の整備、産業基盤の整備促進を重点に進めてまいりました。
具体的な事業としましては、まず各部落の生活排水、道路の改良、街灯の新設、子供の遊び場の整備、コミュニティーの場としての掲示板の新設、新開と冨祖崎の公園整備事業など、社会福祉の充実”豊かさへの創造”に最大の努力をしてまいりました。しかしながら国立老人保養施設の誘致につきましては、これまで村民大会を開催し、村内外各種団体の強力なバックアップにより誘致運動を展開してきましたが、県の決定が遅れ越年することは誠に残念であります。県も国に対し再度、同施設の早期実現を要請していますので、今後とも村民一体となり、初期の目的が達成されるよう強力に誘敷運動を進めてまいりたいと思っております。
次に農業基盤整備につきましては、旧態依然の農業から、機械化を取り入れた合理的近代農法への脱皮が強く要求されるところであり、特に本士に大きく立ち遅れた土地改良事業などの整備を急ぎ、生産基盤の拡大、若い農業後継者の”受けザラ”の整備を具体化していきたいと思っています。
村で初めての土地改良事業も西側(津波古、小谷、新里地区)で行うことを決定し、事業計画を進めていますので、今後は地主の協力を得て早急に着工する予定であります。
教育文化の振興につきましては、昨年、中学校の体育館、小学校の特別教室が完成、引き続き2月には中学校特別教室の増築も着工する予定であります。
さらに、本村の社会教育、文化財保護の活動は各方面から注目されるところであり、3回目になった文化まつりも、村民の心に強く結びついたものと思います。また体力づくり運動も、定着しつつあり、村民一体となって積極的に進めてまいりたいと考えております。
いま、昭和52年の年頭にあたり、我が佐敷村の恵まれた豊かな目然と文化の調和をはかり、明日に伸びる豊かな村づくりをめざして村政を推進していきたいと決意を新たにしております。
村民の皆さま、どうか本年も村政に対し、倍旧のご協力を賜りますようお願い申し上げ、村民各位のご多幸を祈念して新年のごあいさつといたします。
村の発展に全力を
佐敷村議会議長 瀬底正麗
村民の皆さま、新年あけましておめでとうございます。
輝かやしい新春を迎え、皆さまのご健康と限りないご繁栄を心から祈願いたし、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
不肖私、議長就任以来その重責を痛感し、微力ながら円滑な議会運営と村政の伸展に県命な努力をいたしているところでありますが、大過なく越年することができましたことは、ひとえに皆さまが寄せられた暖かいご指導とご協力のお蔭であり、心から感謝申し上げる次第であります。
昨年をかえりみますと、異状な物価の上昇、公共料金の値上りなどで日常生活はきびしく冷え込み、加えて海洋博後の中小企業の倒産、軍雇用者の大量解雇で失業者は全国平均の3倍以上だと報じられ、深刻な問題が多かったのでありますが、わが村においては、東部消防組合の設置ができ、中学枚の体育館建設と小学校の校舎の増築が完成し、農業基盤施設、生活環境施設の整備など着々進められつつあることは幸いに存じます。
生活環境を良くし村民が等しく文化的生活が営めるよう、執行機関も議決機関も真剣に取り組んでいるところでありますが、各部落内の道路及び排水等を一斉に整備すべく基本方針を議了いたし執行の運びに至っておりますゆえ、村民皆さまが積極的にご協力下さるようお願い申し上げます。
村の基本構想は、専門家に立案せしめ審議会の議を経て、近く議会の議決を求めんとする段階にありますが、これが策定されることにより、生活、文化、経済すべての村政運営が一貫して計画的な推進が図られるものと期待いたしております。
厚生年金総合老人ホームの誘致については、村民の総意を結集し諸団体の積極的なご協力のもとに誘致運動を展開してきたのでありますが、オイルショックを契機とする低成長政策への転換等により留保された状態にあります。去る11月12日のの琉球新報で、平良知事が沖縄に同ホームを設置するよう政府に要請されたのに対し、厚生省は必要性を認め理解ある態度を示し、沖縄開発庁は設置実現に向け側面的にバックアップしていくことを約束した旨を報道しており、当事者と共に重ねて要請続行し、村民の願望が叶えらそるよう最善を尽す所存であります。
なお、福祉施設と教育施設の充実、農業基盤の確立、港湾の整備等の問題が山積しておりますが、これらの推進を図るよう自覚を新にし村の発展に全力を傾倒する所存であります。
年頭に当り所感の一端を申し述べ、巳年が村民皆さまにとって最良の年でありますよう心から祈念いたします。