会長就任にあたりご挨拶申しあげます。
ご承知のとおり復帰に伴い農業委員会制度が発足し、昭和47年10月に初代会長小波津厚一外15名でスタートしました。
同50年9月末日の任期満了により、同50年10月1日から同じく16名の委員が誕生し、はからずも浅学非才な私が会長の大任をおおせつかりました。
農業委員としては2期目でありますが、会長の任について初めてその責任の重大さを痛感しております。
幸にして私同様二期目の委員が11名もおりますので、この11名を中心に新しい委員4名と、事務局職員と云う良いパートナーを得て全員が協力一致し、委員会の運営ができるような態制にあります。
更に村当局を始め、村民皆さまのご理解とご協力を得まして、今日までスムーズに委員会の運営ができましたことにつきまして厚く感謝申しあげます。
まず農業委員会の性格や、組織などについてご説明もうしあげますと……。
農業委員会等に関する法律、第三条に基づき各市町村に設置された合議体の独立した行政機関であります。
したがって、その所掌事務を執行するに当っては、市町村長の指揮監督を受けることはありません
しかしながら予算の計上、執行一般選挙後はじめて召集、選任委員の選任および解任は市町村長の権限であります。
更に委員の構成は、農協理事の中から1名、農業生産法人を代表するもの1名、議会の推選する学識経験者5名以内のほか、選挙による委員10~40名が公職選挙法に準じた選挙によって農業者が自からの利益代表を選ぶ制度であり、法的に認められた唯一の農業者の利益代表機関としての性格も合せ持っていることになります。
この誇りと自負のもとに農業委員は日夜がんばっております。
それにしましても、発足当時は、農地法に対する村民の皆様の理解がうすく、自分の土地でありながら自分の好きなように処分したり使用することができない等と云う強いご不満の声がありました。
その後市街化区域と市街化調整区域の線引き、農振地域の指定により、農用地区域と非農用地区域の線引きが行なわれる中で一応の理解が得られたものと思います。
農業秀員会の業務は、農地法に関する業務が主でありまして、農地の名儀移転とか、家を作る場合の申請を受けますと、まず書類審査と現場調査を行うとともに、許可基準にもとずいて審議し、許可が適当である。不許可か適当であると云った意見をまとめます。
更に許可が適当であるとする場合においても、周囲の状況、転用目的等から見て、周辺農他の利用に悪い影響を与えるおそれのある場合ついては、その必要な事項について条件を提示して、県の方へ進達します。
審議にあたっては、あくまでも許可基準にもとづいて判断をしますので、個人の事情等の介入を許さない場合が多く、個人の私権を制限することもあります。
このことは法律が無情と云われるゆえんでもありますが、本委員会としましては、このよう無情な法律であっても、その定めの範囲内において、法の許す範囲内において可能な限り、申請者の意志を生かすように運用していくと云う基本姿勢をとっています。
農地法に関しては別項で説明されますのでここではあまり申しあげないことにしまして…
農業委員会は法律で認められた唯一の農業者の利益代表機関でありますので、皆さんの地元委員を通して、又は直接事務局職員に対して、農業問題に対する、ご要望、ご意見をよせていただきますならば、本委員会で検討し、必要に応じてはその関係機関に働きかける等の方法により、皆さんのご要望に答えるよう努力してまいりたいと思います。
これまでの間においても、村当局に対して建議を行い、それにもとづいて検討がすすめられているようであります。
尚村当局のご協力を得まして、九州各県の農業生産基盤の整備状況を視察研修のため委員と職員の各一名を派遣させてもらいました。
その報告によりますと、他府県においてもまだ生産基盤整を行ってない所もあるようでありますが、研修したほとんどが工事にかかっているようであり木村においても急を要する事業だと云うことであります。特に復帰特別措置の期間中に実施しないと、その補助率が少なくなるのでその分農業個人の負担が多くなると云うことになります。
幸い村の計画も進められておりますので農家の皆さんのご協力を得ましてその実現を計りたいと思います。
最後にこの特集号の発行にあたり村当局のご協力を得ましたことを感謝申し上げます。