8億4013万3千円
福祉、教育、投資的事業重点に
第177回佐敷村定例議会は3月10日から31日間の会期にわたって村議会室で開かれました。3月定例議会は昭和50年度のしめくくりであり、新年度を迎える重要な定例会で、山城村長の施政方針(1面)の表明がなされ、新年度の予算やそれに関連する条例など14議案が審議決定されました。可決された新年度の一般会計予算は、歳入歳出総額8億4013万3千円で、前年度当初予算額に比べ3129万9千円増え3.9%の伸び率をみせている。このほか特別会計の水道、国民健康保険の各事業を合せて総額10億1003万9千円となっている。昭和51年度の村政は、地方財政へのしめつけが一段と高まり、不況と物価高という相反した経済現象のなかで開始されますが、村は住民福祉と教育、産業基盤の整備など、豊かな村づくりに必要な事業を強力に進めていくことにしています。特に不況対策としての公共投資事業に重点的に財源を配分、新開、冨祖崎における近隣公園の整備事業が本格的に着手されるのを始め、農地保全、土地改良事業としての農業排水路工事、各部落の生活排水路工事、道路の新設改良工事、中学校の校舎増築工事-などに2億4200万円が計上されている。その他各部落に保安灯、掲示板の設置、交通安全対策、老人福祉、児童福祉、-など明るいくらしのための施策を重点としていることが注目されます。
歳入
依存財源は地方交付税の3億7500万円(歳入総額の44.6%)が大きく、ついで国県支出金の2億3507万2千円(28.0%)、村債の1億1600万円(13.8%)-但し地方交付税追い出しの特例債2190万円、臨時市町村道整備小業債1140万円を含む-が主となっている。いっぽう自主財源は、地方税の7367万3千円(8.8%)をトップに、分担金及び負担金977万8千円(1.2%)繰越金700万円(0.8%)、諸収入323万2千円(0.4%)、財産収入313万1千円(0.4%)となっている。
依存財源が歳入総額の88.1%に対し、自主財源は11.9%で相変らず依存型の予算である。
つぎに使途を基準にして一般財源と特定財源に分けると、一般財源が4億7742万3千円(56.8%)と高く、村が自主的な判断のもとにそれぞれの地域の実態に即応して施策を遂行する上からは弾力性のある歳入構造といえます。
歳出
構成比別にみると、第一款議会費は2949万5千円を計上、前年度より497万9千円の増です。
第一款総務費は、1億1324万5千円で、前年度より2534万8千円の増、各部落への街灯、掲示板の新設、交通安全対策費が計上されています。
第三款民生費は、社会福祉、児童福祉費、国民年金事務費など1億3317万5千円を計上、前年度より1546万9千円の増となっている。
第四款衛生費は、前年度より179万9千円増の3725万7千円が計上されています。
第五款労働費は、失業対策事業に要する経費2583万6千円を計上し、前年度より419万
3千円の増です。
第六款農林水事業費は、2184万8千円増の9821万7千円計上、新規事業として佐敷、仲伊保の構造改善事業、津波古、仲伊保の一般土地改良事業が計上されています。
第七款商工賀は、村商工会育成費など161万1千円が計上されています。
第八款土木費は、道路橋りようおよび排水路の維持管埋と新設改良、都市計画、公園整備事業費など1億4156万9千円を計上、前年度より6276万7千円の大幅増となっている。
第九款消防費は、東部消防組合への負担金3000万円が計上されています。
第十款教育費は、1億6320万5千円で、前年度より1億4513万1千円の減となっている。これは前年度に体育館建設工事があったためで、総予算にしめる割合では19.4%で依然としてトップである。新規事業としては中学校の校舎増築工事費が計上されている。
その他、公債費、2213万円、予備費、4438万5千円が計上されています。
ところで、歳出予算の内容を各項目の経費別にとらえてみると、人件費の総額が2億2367万3千円で歳出の26.6%をしめている。これに対し普通建設事業は、2億4694万8千円(29.4%)で、その内補助事業が1億5662万6千円、単独事業9032万2千円計上されている。
物件費は、8577万7千円(10.2%)、扶助費、7945万9千円(9.5%)補助費等、1256万8千円(11.6%)、公債費2213万円(2.6%)、維持補修費、1256万4千円(1.5%)、投資及び出資金191万2千円(0.2%)、失業対策事業、2583万6千円(3.1%)といった内容になっている。
経常的経費については、極力これを節減し、人件費も職員再配置でカバーし、新規増員をひかえ、物件費等についても極力これを節減、できるかぎり投資的経費を重点に財源配分をおこなうよう予算が編成されています。
昭和51年度主な公共事業
農業構造改善事業 千円
(1)佐敷排水路改良工事 12,430
(2)仲伊保農道改良工事 6,549
土地改良事業
(1)津波古排水路改良工事 22,023
(2)仲伊保排水路改良工事 15,874
(3)浜崎川排水路改良工事
(県直営工事) 80,000 内8,000が村負担
公園整備事業
(1)新開公園整備事業 21,770
(2)冨祖崎公園整備事業 16,000
村内生活排水路改良工事 62,665
村道15号線改良工事 15,000
村道補修工事 9,677
中学校校舎増築工事 63,294
失業対策事業 25,836
交通安全対策事業 1,200