なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

大きな教育愛の結晶 佐敷小学校 創立93周年を迎える

▼新しい管理棟が正門を入ると右側にその偉容を誘っている。事務室、校長室応接間、保健室、職員室、それに理科教室と備品室があって便所も職員、児童用が水洗式で完備されている。
▼管理棟の正面入口のフロントには、大きな水槽が設置され、四尾の鯉がわがもの顔にスーイスーイと泳いでいる。水槽は仲伊保の山内昌福さん、その台は津波古の城間鉄工所さんの寄贈であるが、鯉は、去る3月末に転出された石原ヨシ、嘉数幸清、渡名喜文子、前城きく子、それに真栄城守憲の五人の先生方が寄贈されたもので、すばらしい学校愛の結晶である。
▼フロント正面の電子時計は屋比久建築設計室よりの寄贈で、正時を刻んで「時は金なり」とよぴかけている。
▼事務室入口の大鏡も仲伊保の山内昌福さんの寄贈で、自分の姿を大写しにして先生方は常に襟を正している。
▼応接間のソファーは屋比久建設の寄贈で、管理棟に一歩入ると佐敷村の方々の教育愛の高さが、ひしひしと伝わってきて身のひきしまる感じがする。
▼去る5月25日(日)、午前8時半より二時間の授業参観があり廊下は父母の方々で超満員、学級学年集会のあと正午から1時半までPTA総会が体育館でもたれ、予算決算審議と行事計画がスムーズに審議され、学級、学年の世話係も決定された。
三役は次の通り。
 会 長 金城 清(佐敷)
 副会長 宮城寛之(新里)
 (副会長兼書記会計)
     玉城光子(佐敷)

▼海洋博の関係で秋のバスは貸し初りが困難というので、5月に5、6年生の北部修学旅行を決行したが、子どもたちは、お土産の心配ばかりしている傾向がみられ、お土産廃止にしたい。小遣銭は千円以内という学年の指導にかかわらずオーパーしている児童が多くみられたので、ここでも「お金の与え方」について考えさせられた。
▼明治15年6月25日に役所の一角に産声をあげた小学校は、今年で満93年という誕生日を迎え、当日は全児童、全職員が体育館に集まり、校長先生の学校誕生と今までの発展の足どり、更に将来へむけての心構えについてお話を聞き、学年ごとに球技大会を楽しみ、給食センターの心づくしの御馳走と紅白饅頭に大喜び。この日、5、6年は男女別にクラス対抗ソフトボール大会。この日ばかりは「勝った、負けた」を忘れて創立記念日はいいものだといった表情で明るい一日だった。
▼高学年の作文による、父親への要求は次の通りだった。
 一、お酒、たばこを少なめに。
 二、おかあさんを、もっとかわいがってー。
 三、早く帰って一緒に遊んでー。
 四、約束は守ってください。
 五、大声でしからないで、やさしく教えてください。
▼字新開が新しく生まれたので、学校では登校団を結成して「最初が大事だから」と激励した。係りの先生は津波古の係りから二人(平田節子、砂川桂子)の先生を当てることにした。
▼夏休み中、学校図書館では図書の貸出しを続行したが係りの玉城高子先生の調査で二、六、五、一、三、四年生の順で借りている。これは7月21日から8月15日までの11日間の統計。合計1603冊なので平均一人1.6冊の読みぶり。三、四年がトップにいないのが残念。というのは、人間の長い人生で小学三、四年の頃が一番読書欲の高い時だというからである。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000455-0021
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第38号(1975年9月)
ページ 4
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1975/09/20
公開日 2023/10/18