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教育 中学校初の試みで大きな成果 読書感想文・感想画コンクール

望まれる図書館の設置 現状は学習活動にも支障

第11回全沖縄読書感想支、感想画コンクールで佐敷中学校から次の生徒が入賞しました。
感想文の部
 最優秀 久田利恵子「路傍の石」を読んで
 優 秀  知念 薫「愛の旅立ち」を読んで
 入 選  新城育子「伊豆の踊子」を読んで
感想画の部
 優 秀 山内利津子「飛弾の馬小作」を読んで
 入 選 知念順子「くもの糸」を読んで
      宮城 哲「態野犬」を読んで

学校図書館教育の重大さが叫ばれている昨今、本校の生徒は本を読む環境に恵まれていず、図書室といってもやっと8名が座れる程度の本の倉庫で、あってなきがごとしの状態で学習活動にも支障をきたし
ている現状です。そのせいか入学いらい図書室に足を運んだことのない生徒が3年生でも半数を占めています。大事な中学生活をこれではいけないと「1人1冊はぜひ読もう」を目標に10月1日~10月31日を読書月間としました。その間全先生方、生徒図書委員の協力のもとに第1回校内読書感想文、感想画コンクールを催し、ひとり1点を提出してもらうようにしました。初めての試みで読書嫌いな生徒達の抵抗もあったようですが最初にしては上できだと、先生方の審査で表彰式も感大に行われました。審査の結果、優秀な作品は島尻地区コンクールに出品され予想以上に入賞者の多いことに生徒、職員喜んでいた矢先、中央で佐敷中学校から最優秀賞が出たという吉報。こういうことは他の生徒にもいい刺激になったと思います。
電波映像メディアの急激な発達のお陰でスイッチひとつで私たちは容易に社会の様子がわかるようになりました。しかしそれがあまりにも容易にできることからか人間は根気がなくなった。思考思索する習慣がなくなったといわれます。根気力と思考力は仕事の原動力であり新しい文化を生み出す原動力でもあると思います。人は自分でつくり出した文明器機によって自らの創造力を失うということはあまりにも皮肉なことではないでしょうか。現代はそういう中にあって活字と映像をともに並列的にみる力を養うことが必要とされています。本校の生徒は物事に対して「すばらしい眼」を持っています。そのすばらしさをもっともっと伸ばしてやりたいものだと思います。今年図書係となってつくづく残念に思うことは、生徒達に答えられるような図書の整備をすることができないことと、座って読める場所が与えられないことです。生徒は休み時間、給食休みの時間にも図書の貸し出しをしてほしいといいます。しかしそこを管理する司書や事務の人がいません。図書館の資料を使った方がより生徒に浸透する単元があっても、とても42、3人を収容できません。他の学校では「図書館の資料をどのように教科に生かすか」というテーマで研究を進めているというのに…。
私たちは生徒の持っているよりよい資質をのばしていくために、もっと環境をととのえていかねばならないと思います。

佐敷中学校  西原直子

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000452-0020
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第35号(1975年1月)
ページ 6
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1975/01/01
公開日 2023/10/18