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待望のゴミ・し尿処理の完全実施 与那原、西原、清掃施設組合へ加入

八月からスタート 快適な生活環境の整備促進
佐敷村では、村民待望の“ゴミと、し尿処理”の完全実施を8月1日からスタート、明るい清潔な村づくりに大きく前進、生活環境の整備に抜本的な改革がなされることになる。特に生活環境をおびやかす、ゴミ処理については、多くの地方自治体がことごとく直面している最大の課題であり、佐敷村にあってもその一日も早い実現が望まれていた。山城村長は、本年度の施政方針の中で重要施策としてゴミ処理に対処することを明確に打ち出し、与那原町、西原村清掃施設組合加入による、より効果的な本事業の推進を図り、このほど両町村の協力のもとに実現したのである。村ではこのゴミ処理の実施にあたり、チラシを配布し村民の協力を呼びかける一方、さらに輪をひろげ、村民一体となった、清潔な住みよい環境づくりへ積極的にとりくんでいくこととしている。

佐敷村における一日のゴミの排水量は約六トンとみなされる。
これまで、そのぼう大な量のゴミが近くの河川や、海岸に投げ棄てられ、いたるところゴミの山が散乱し、ことのほか私たちの生活をおびやかすばかりでなく、もはや、私たちのもつ海や川のイメージとはほど遠いほど、その自然のかおりは消滅しかけている。そのまま放置すると佐敷村の恵まれた美しい自然は、ゴミのはきだめと化してしまう、実におそろしいことである。
石油化学工業がまだ発達しなかったずっと以前の話なら、どんなゴミでも河にこっそり投げたり、空地に捨てても、問題はなかった。ゴミの中身が中身だけに、自然のもつ循環作用の範囲内で人間は生活を営んでいたのである。
しかし、今では“こっそり”が許されなくなった。産業、経済の発達とともに生活の多様化による各家庭から排出されるぼう大なゴミは自然の処理能力をはるかに超え、量と質の両面から人間生活へ攻撃をかけてきている。
今となっては、ゴミ処理をどうするかが、人間社会の重要課題とさえなっている。
村では、さっそく、このような現状を正しく踏まえ、住民の要求に的確に対処するため、本年度の重要施策として、ゴミ処理の無料化と、し尿処理の完全実施をめざし強力にとりくんできた。
その中で、まず、財源的にも住民にしわ寄せのない処理場の確保を起点として、隣町村と連けいによる話し合いを進め、大きな立場から、より効果的な事業の推進が図られた。
さいわいにも、与那原町、西原村のご理解とご協力を得て、去る6月の議会定例会では、全会一致で与那原町、西原村清掃施設組合に加入することを決定、はじめてこの大事業が実現したのである
ゴミ処理、開始から一ヶ月、村民の力強い協力でまずまず、順調なスタートである。

多くの村民から、このゴミ処理の完全実施に期待が寄せられており、明るい清潔な村づくりに大きく前進するものとしてたいへん喜ばれている。
村当局は、本事業の開始にあたり、より住民とのコンセンサスを基に、住民の生活の基本に対する政策をきめ細かく立案し、推進していくものとしている。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000451-0001
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第34号(1974年9月)
ページ 1
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1974/09/03
公開日 2023/10/18