なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

待どおしい「家庭の日」佐敷小学校六年生 伊良波直美

わたしの家では、家族そろってピクニックの話合いなどをしたことは小さい頃はあったように思うが近ごろはぜんぜんやったことがない、日曜日も、おとうさんが仕事なので家族そろって遊びに行ったことはない。
わたしはいつも「おとうさん、なぜ日曜日もお仕事なの」と聞くするとおとうさんは、「いそがしいんだよ、それにもし休んでいたらおまえたちがたべていけないじゃないか」。としか答えてくれない、わたしの家には、カラーテレビもステレオもあるのに、なぜそんなにお金もうけばかりしなければならないのか、お金よりも、おとうさんが、たまの日曜日に一回でもいいからみんなと遊んでくれた方がいいけど、でも仕事ずきのおとうさんだから、そんなことはいえない、わたしはどうでもいいけど、小さい弟たちのために、たまにはピクニックにつれていってほしいと思う。わたしは日曜日がくるたびに、「あーあ」またお仕事か。と言ってはがっかりする。おとうさんが仕事に出るので日曜日も休んでいる気がしない、しゅくだいも一時間ぐらいでかたずくと、たいくつになる、おかあさんはいつも「おまえたちは毎日学校へいきなさいと言う」。こんなにおうちの中で大さわぎになるのはおとうさんのせいだと思う、だって、おかあさんは日曜日でもおとうさんのおべんとうをつくるのに早起きしなければならない。夜はおそくまでおきてあとかたづけ、朝は日曜日でも早起きするおかあさん、昼は昼ねをしようとしても弟たちのせわでねむることができない。わたしたちはわたしたちで、ひまでひまでたいくつなのだ、だからすぐけんかになる。ほうきを持ったり「本をやぶっちゃうぞ」とすごんでみたりして日曜日は大へんなのだ。こんなときに、先生に「家庭の日」のことをきいた、家庭で話し合って仕事をきめたり、力を合せることをすればおうちは明るくなると思う。わたしはこんどの「家庭の日」おとうさんに「おかあさんに、ひまをあげてちょうだい。そしておとうさんも休んで、わたしたちと遊んでちょうだい」と意見を言ってみたいと思う。おとうさんはどんな顔をするかな。それでも、お仕事にいくならおかあさんと話し合ってみんなの仕事をきめて、おかあさんの手伝いに力を入れて、わたしたちの力でおかあさんを休ませてあげようと思っている。わたくしも反省して楽しい家庭をつくりあげよう、わたしは「家庭の日」を今か今かと待っている。

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000448-0003
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第34号(1973年8月)
ページ 1
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1973/08/01
公開日 2023/10/18