なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

美しい自然と美風 村長 渡名喜元尊

1963年の春佐敷小学校と姉妹校の縁結びをした福岡県糸島郡前原町波多江小学校からお招きを10名の子どもたちを引きつれて訪問にいったとき大変お世話になった当時の教頭福島直市先生が去年の暮「あの頃の子どもたちの成長ぶりを見たい」とのことで沖縄を訪れました。わずか半で南部、中部地区へご案内致しましたが帰福後の感想として手紙の一部に次のようなことが書かれておりますのでご紹介致します。すなはち中南部地域内では少なくとも最もすぐれた汚れのない環境を保持しているのは佐敷村に勝るところはない。
博多弁でいうなら「沖縄で一番よかとこは佐敷村たい」と言い、また山あり、海あり、肥沃の土地あり、村民は純朴勤勉にして礼儀にあつく教育亦極めて熱心の伝統的土地柄で、幾多の人材を輩出しており、村の平地一面を覆いつくす良質の甘蔗の実のり、馬天の良港を擁し海産の漁獲も豊かレジャーの海水浴場も広い。
このすべてを象徴するかのように立つ宿納森の秀麓なたたずまい。以上の姿は時代が如何に移り変っても私は変えたくない。又変えるべきでないと考えています。
以上が福島先生が佐敷村を見ての印象ですが、これは単に福島先生だけでなく本土から見える訪問客や那覇辺から来る方もそういっておりますから間違った見方ではないと思います。
しかし、時代の波は沖縄にもおし寄せ、わが佐敷村に及んできましょう。
今や、都市であれ、田舎であれ、近代化、合理化の名のもとに美しい空、海、緑の自然環境がよごれそうになっております。
私たちは、自然保護上、文化財の保存上、教育上、好まない施設や企業の進出に注目し、わが佐敷村の美しい自然と、うるわしい人情をいつまでも守り続けていくように心掛けましょう。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000443-0012
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第31号(1972年8月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1972/08/01
公開日 2023/09/19