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印鑑証明の有効期限? 「個別的に定められている」

印鑑証明書は村役所に備えつけてある印鑑簿に押された印鑑が、証明書を発行した日の実印であることを証明するものですから、いつまで有効であるとか、いつになったら無効になるということはありません。しかし会社関係の登記や土地、建物について登記する場合にこの印鑑証明書は3ヶ月の有効期間を過ぎていますから新しい印鑑証明書をとってください、とよく言われることがあります。これは商業登記規則や不産登記法施行細則という法令に事請書に添付する印鑑証明書は、3ヶ月以内のものに限る。という定めがあるからです。
たとえば、不動産登記法施行細則第四二条には「所有権の登記名義人が登記義務者として登記を申請するときは、その住所地の市町村長の証明を得たる印鑑を提出すべし」と定められており、第四四条の四によれば第四二条の規定によって提出すべき印鑑証明書は、作成後3ヶ月以内のものに限る、と定められています
このように印鑑証明書が3ヶ月以内に作成されたものに限るという場合は、それぞれ法令に定められていますので、法令に定めがなければ別に3ヶ月以内に作成されたものでなくてもよいわけです。たとえば、土地や建物を相続する場合、どの土地はだれが相続するなどと、お互いの話し合いできめる遺産分割という方法がありますが、これによって相続登記をする場合には、相続を証明する書面の1部として遺産分割協議書を提出しなければなりません。これには登記の申請人以外の遺産分割協議者の印鑑証明を添付しなければならないものとされていますが、この印鑑証明書は別に3ヶ月以内に作成されたものである必要はありません
また銀行に出した印鑑証明書が抵当権を設定するために使われれるものであるとか、所有権の移転登記をするために必要なものであれば3ヶ月以内に作成されたものでなければなりませんが、借金の保証人として印鑑証明書を出す場合などには、いつ作成されたものでもよいのです。しかし銀行としては保証人になったとか、あとで争いになった場合に備えて、書類に実印を押すことと、その印鑑証明書を出すことを要求しているものと思います。そうだとすれば、実印は改印することもできますから、なるべくはごく最近に発行されたものか前にのべた法令を参考にして少なくとも3ケ月以内に発行された印鑑証明書を請求していることと思います。
とにかく使用する側から請求があればそれに応じなければないことでしょう。

「法律相談」照喜納良三氏 転載=(総務課)

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000442-0013
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第30号(1972年1月)
ページ 3
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1972/01/01
公開日 2023/09/19