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(老人福祉)老人相談日を開設(9月21日) 尊敬と愛情を捧げよう

老人はすべて生れ育ってから現在に至るまで、働き、家庭を守り、喜び悲しみの幾年月をかさね、世の荒波を生きぬいて、社会発展に努めてきたものです。この老人に対し、社会の人々は、尊敬と愛情をささげ安心して今後も暮らしていけるように、老後のしあわせを高めようと、今年も9月15日(としよりの日)から9月21日までの7日間老人福祉週間がもうけられました。
村では、この週間の最終日(21日)に初のこころみで老人相談日を開設して老人の日常生活についての希望、意見、特にのぞむことなどお聞きしましたが、その日おいでになって相談を受けられたのが61人で、その内訳は次のとおりです。
 
老人一人ぐらし 10名
 老夫婦だけ   14名
 家族と同居   41名

収入は、家族と同居は別として、一人ぐらし老夫婦だけの世帯では、援護金収入と、農業収入が半々位で中には別居している子供からの支送り収入で細々くらしているというのもいる。
それにこれら老人だけの世帯の共通の悩みは、元気で働ける間はいいが、病気になったらどうしようということである。
また家族と同居している老人でも、いざ病気に患り、通院しなければならないような場合、医療費をもらうのが気がねで、老令年金が入った時に医者にかかるという老人も2,3人いた。

次に多くの老人の希望として、
1.区の老人クラプ活動を盛りあげていってもらいたい。
2.老令年金を増額してもらいたい。
3.老令年金は援讃金のあるなしにかかわらず同額支給してもらいたいなどの希望が出された。

その日は朝から那覇福祉事務所より老人係もお見えになり、福祉主事、公看、村福祉係、村老人クラブ正副会長がそれぞれの分野で相談役を務め午後4時有意義裡に終了した。
数字が示すように相談に見えた老人の約57パーセントが一人ぐらし夫婦だけというわびしい生活者である。
経済社会の急激な変動に伴ない、老人問題はますます深刻化し、新しい問題を生み出しているといわれます最近日本で、老後生活に対する意識調査をしたところ60才以上の世代では、約5割が老後の生活を家族の責任と考えているのに対し、20代の青年は、1.6割しかそのように考えてないということです。
いまや老人問題はひとり老人のみならず全住民が、家庭の中、社会の中で真剣に考えなければならない時期にきているのではないでしょうか。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000439-0007
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第27号(1970年11月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1970/11/01
公開日 2023/10/11