第134回本村議会定例会は、去る6月15日から開会、同月29日まで、15日間の会期で進められました。
今度の定例会は1970年度の総締めくくりと、向う1ケ年間村の発展を裏づける重要な予算議会であるだけに、各議員とも緊張に満ちた面持ちで定刻前に議席に着かれ議長普天間善徳氏の開会宣言に始り渡名喜村長の就任以来過去8ケ月間における村政のあゆみと、新年度に臨む力強い施政方針が述べられました。
この定例会に提出されました議案は、議案第九号佐敷村報酬及び費用弁償支給条例の一部を改正する条例を始め、十六議案が提出され連日慎重なる審議が行われた結果、それぞれ次のように可決されました。
※議案第九号
佐敷村報酬及び費用弁償支給条例について(修正可決)
※議案第十号
佐敷村職員定数条例について(原案可決)
※議案第十一号
佐敷村職員の給与に関する条例について(修正可決)
※議案第十二号
1970年度佐敷村才入才出追加更正予算について(原案可決)
※議案第十三号
1971年度佐敷村才入才出予算について(修正可決)
※議案第十四号
1971年度佐敷村上水道事業特別会計才入才出予算について(修正可決)
※議案第十五号
道路工事請負契約について(可決)
※議案第十六号
村道の路線認定について(可決)
※議案第十七号
佐敷教育区教育委員等の報酬及び費用弁償に関する規則の一部改正について (承認)
※議案第十八号
佐敷教育区教育委員会事務局職員定数規則の一部改正について(承認)
※議案第十九号
佐敷教育委員会事務局職員の給与に関する規則の一部改正について(承認)
※議案第二十号
佐敷教育区立学校世話人給食炊事婦の給与に関する規則の一部改正について (承認)
※議案第二十一号
佐敷教育区教育委員会事務局職員の勤務時間、休日及び休暇に関する規則について(承認)
※議案第二十二号
佐敷教育区立佐敷幼稚園に関する規則について(承認)
※議案第二十三号
1970年度佐敷教育区才入才出補正予算について(原案可決)
※議案第二十四号
1971年度佐敷教育区才入才出予算について(原案可決)
以上、議案の処理状況を掲載しましたが群しい内容については、後程発行予定の議会報でご覧ください。なお、議案審議の外に建設的、一般質問が行われましたがその詳しい内容についても後程発行の議会報でご覧くださるようお知らせいたします。
以上、議会定例会の概要を申し上げましたが開議以来慎重なる検討審議の結果、発展を目指して進む方向が決り、第134回議会定例会が閉じられました。
@ 新年度における施策 八項目を重点目標に努力 1971年度施政方針 1@
ここに第134回佐敷村議会定例会に当り、就任以入8ケ月微力な私に寄せられました議員各位のご指導とご鞭撻に対し心からの敬意を表し厚くお礼申し上げます。
さて1971年度の予算審議をお願いする前に1970年度をあらましを申しあげ現時点に立って新年度における施政の概要を申し述べて議会のご了解とご指導をいただき度いと存じます。
(1)馬天湾原の埋立につきましては早期に実現するよう土地住宅公社に申し入れました結果工事が急ピッチに進んでおりまして、今の調子でいけば予定通り来年の4月●には完了するのではないかと思います。
第二、第三工区の埋立は港湾の整備とも開発促進期成会で陳情文の内容を検討修正し行政主席立法院各政点関係各局長に陳情文を手交し、要請を続けてまいりましたが政府では双方とも長期経済開発計画による位置づけがはっきりしないのでこの結果を待つ外はないとのことであります。
(2)水道工事の第一期工事はご承知のように昨年末に終り1月から給水を開始しております。
第二工区の補助金は今月中に指令を出すとのことですから予定通り工事が進められることになります。
(3)馬天の田原排水は今年度と71年度の2回に分けて施行されることになり指令は今月中に出すとのことであります。そのため苗代川下流工事は72年度にまわることになりました。
(4)小谷の村道復旧工事は災害対策要項に基づく補助対象の基準に適合しないとの理由で市町村土木事業助成費の一環として予算計上してあるとの確答を得ております。
このため仲伊保の排水工事もまた72年度にまわることになりました。
(5)道路の補修については仲伊保の舗装道路が工事中で7月中旬には完成予定をしております。
(6)潰地の補償は地主と政府との契約のもとに土地代の支払いも開始され6月中には終ることになっております。
(7)ゴミ処理の問題はその必要性を十分みとめ隣町村との共同処理場設置について話合いはしたもののまだ煮つまっていません。
(8)町村合併の問題は関係町村の西原村が反対大里村からの希望などがあって中だるみの状態にあります。
(9)仲伊保の村有地と民有地の境界は当真嗣英氏に測量を依頼し4月14月に議会関係者と地元有立合いの上区切を定め標識を立ててあります。
新里村有地は埋立工事のため一部使用中でありますので後日解決しその他の村有地も逐次境界をただしていく考えであります。
(10)マカー山道路も当真氏を頼んで測量をすまし地主もそれをみとみましたので設計通り着工することにしました。
(11)佐敷巡査派出所建築につきましては陳情文を持って警察本部長に会い71年度予算に計上する約束をしましたが予算の都合でけづられたとの回答であります。
(12)ゴルフ場(守礼カントリークラブ)の建設につきましては着々準備も進み近日起工の運びとなっております。これには5項目の条件を付した契約書を2部作成し各1通を所持しています。
以上の点をあらまし申しあげましたが新年度は現時点に立ち将来を見通して
一 行政運営の基本方針としては、農漁業、畜産業の振興はもちろん今後工業地域、住宅地域、商業地域、観光地域として延びる可能性がありますので、これに基づく産業開発並に経済基盤に主眼をおく考えであります。
二 今年度の重点施策
本村の地理町、自然的条件を生かし村民福祉向上の観点から新年度は次の項目に重点をおき推進していこうと考えております。
(1) 馬天港湾の整備、水道事業の拡充、村道の延長と補修河川の改修等基本施設の整備
・大型トラックのはいる農道を村道に編入する
・佐敷富祖崎線をタール舗装する。
(2) 埋立事業の推進
このことにより企業を誘致し財源の強化安定を図る。
(3) 耕地の整備
機械力を導入してさとうきびその他農産物の増産を図る。
・トラクター購入者と古株更新者に対し奨励補助金を与える。
(4) 畜産業の振興
畜産熱の向上にかんがみ優良品種を導入し生産を高める。
・今年は優良繁殖牛10頭を本土より購入予定
(5) 各種団体の育成強化
・婦人会、青年会、村体協、生改グループ、遺族会、老人クラブ、畜産組合共進会等への補助金を増額し、その活動を促進する。
(6) 観光資源の開発
・上城に鉄筋コンクリート舞台を設置して慰安娯楽いこいの場とする
・守礼カントリークラブの設置を促進する
(7) 文化財の保存伝承
・本村には独特の芸能や舞踊、民芸品史蹟骨とう品等が数多くあると聞いている。これを保存するため保護委員会を設け調査研究を依頼する。
(8) 教育の振興
・小学校に公立幼稚園を設置して幼児教育を振興する。
以上の通り現年度の大要と新年度に臨む方針を申し上げましたがその実現に当って議員諸公と村民の深い理解とご協力がなければなりません。
ご批正ご指導をおねがい申しあげます。
1970年6月15日 佐敷村長 渡名喜 元尊