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豊かな良い年を迎えて 農協長 宮城篤仁

組合員の皆様を初め、協力組織の方々、及び全村民の皆様地球が太陽の周囲を一回転する意義のある日、生活感情を一新してその年の幸福を求める生活へ邁進する昭和45年の新春を迎えましてお目出度うございます。昭和44年をふりかえりまして皆様も如何に有意義に暮して来たか又自分の目的に向ってどれだけの努力をしたかを反省され、さらに今年の新しい計画の実現に第一歩を踏出す日に皆様も個々によって色々とある事と思います。さて農協としても昨年を見た場合本当に色々の事が感じられます。
1月11日のキビ代値上げ農民大会でキピ屯当り20弗15仙獲得を訴えたのを初めキビ奨励金の実現、琉球農連と全国購買連合会との農務提携による生産資材の供給体制、生活物資の価格安定策による組合マーク愛用運動各種生産者大会、あるいはキビメイ虫の異状発生と濃度障害による講習会等を数多く開催すると共に11月には農協を代表して今期のキピ代値上げの陳情に努力を続けた年であります。特に今期のキピ代値上げ陳惰に対しては日米共同声明で日本復帰が実現の運びとなった、その上に立ってやり、沖縄産糖の全量買上げについては生産費が補償され再生産制が可能になるよう②含密糖の保護育成については分密糖同じく財政援助を行って貰い度い③特に本土で適用されて居る甘味資源特別措置法の沖縄への適用を強く訴え続けて本来の農協使命に邁進した年でありました。心若々と迎える「イヌ」年は私達農家の最大の年であると共に本土復帰に備えての初年度として意志の結集を計る明るい豊かな良い年を迎えたいと思います。
長谷川農林大臣が砂糖陳情者の方々に対し沖縄の指導者の立場は良く解る、しかし乍ら今の天国がいつまでも続くものではないと云う事を強く主張されて居ります。
私達も今後合理化に向っては自から反省もしなければならないと思います。そこで私達も本土の組織への加入を目標に明日の人類の明るい豊かな生活を築きあげるべく私達もこれを継承し更に進歩発展せしめて昭和47年の復帰に努力すると共に現在農家で当面して居る農家経済の再建の課題はとりもなをさず我々自身の課題でありますから他産業者と生活の基調を共にすべく農業の道に精進する事が必要と思います。私達農協も自立経営農家を数多く作りあげて行くべき合理化対策と機械による労働力補いを計りコスト減に努力し農家生活の安定に全力をあげる所存で御座います。
明るい豊かな良い年を迎えると共に組合員の皆様と村民の方々に充分なる御協力をお誓い申し上げます。
昭和45年のイヌ年は全村民に御多幸と限りない発展が与えられるよう祈念致しまして年頭のご挨拶と致します。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000435-0020
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第24号(1970年1月)
ページ 3
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1970/01/01
公開日 2023/10/10