皆さん、輝やかしい新年を迎えまして、誠におめでとうございます。
わが沖縄も戦後二十有余年にわたる異民族支配から解放され二年後には、沖縄県として祖国に復帰し、日本国民として総べての権利を与えられ、平和憲法に護られる立場が明らかになりました。
県民の久しい悲願、渇望がかなえられ、明るい希望と歓喜の中で迎える新春は殊更意義深いものを感じ、身のひき締る思いが致します。特に祖国日本が敗戦の憂目を脱し、産業、経済、教育の各面で異常といわれるまでの発展をとげた今日、沖縄の復興計画も手早く遂行出来ることを期待します。
去る昭和44年は、村を挙げての大事業であった学校移転も、皆様の御協力と熱烈な御支援によりまして、目的を達成することが出来ました。
この難事業をあらゆる困難を押し切って、しかも短い期間で解決された皆さんの御熱意と、結集された能力には改めて敬意を表し、深く感謝申し上げます。
全沖縄の教育界の注目を浴びながら、歴史的偉業に成功した年であり記念すべき良い年だったことを回顧し、母村に職を奉ずる者としての感激と喜びを痛感致しました。
今年は移転後の校地の整備、特別教室の建築を推進し、更に四十四号線と学校を結ぶ道路の開設、ブロックベいの完成、校門の設置等、と数多くの事業が残されております。教育委員会や村当局、村議会のお力をかりて課題の解決に当る積りであります。
村民の皆様、今年も相変らず教育愛好のご関心と深い御理解のもとに、より一層のご指導とお力添えをお願い申し上げます。