佐敷村民の皆さん、あけましておめでとうございます。1970年の新春を迎えるに当り、旧年中村当局に寄せられた絶大なご支援とご協力に対し心から厚くお礼を申しあげます。そしてまたこの年が村の発展と村民の福祉向上のためのよりよい年でありますよう念願してやみません。私自身も村長就任最初の新しい年だけにいよいよ決意を新にして、当面する諸問題の解決に体当りする所存でありますので倍旧のご支持ご鞭撻をよろしくおねがい申しあげます。
さてわれわれ沖縄県民が多年にわたりさけび続け、運動を展開してきた施政権の返還が去年11月22日の日米首脳会談により、1972年に実現する運びになりましたことは、多少の疑問はあるにしても喜びにたえない次第であります。日本政府並びに琉球政府ではその準備工作を急いでおりますが、村としましても政府の方針に沿って復帰実現のため協力体制を整えたいと思います。
そうすることにより遅々として進まない沖縄の政治、経済、産業、教育文化、資源開発等もいちじるしく進展し、私たちの村の水道事業、馬天港湾の整備、馬天瀉原の埋立工事、道路や河川の改修、観光資源の誘致開発等も急速に実現するものと期待するからであります。
それに先だち町村合併の問題が浮びあがってまいりましょう。
このことについて各階層の方々とじゅうぶんに話かあい検討して村民の納得のいく方向に進めたいと思います。
それにしましても、私たちの村をよくし、美しくするのは私たち以外にはありません。塵芥の処理、下水道の清掃等、環境の美化と衛生にはじゅうぶん気を配って下さるようおねがい致します。
村のほこりとする人の和と自然の美を失なうことなく、総力を結集して住みよい豊かな村づくりのため全村民の奮起を要望致します。
村民各位のご健斗ご繁栄を祈念して年頭のごあいさつと致します。