なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

南大東村を訪ねて 村長 外間長賢

南北両大東村長から「沖縄木島から特に遠く離れた小さい離島の苦しみを実地に見ていただいて、離島の苦しみをいくらかでも少くすることが出来るように力を借して欲しい。その為にぜひ南部市町村会を南大東村で開いて下さい」とのお願いがありまして去る7月22日から島尻の市町村長全員が南大東村を訪問致しましたので、その状況を簡略にお知らせ致します。 南大東村に到着し村長の案内をうけて島中を見学致しましたが先づ感じことは 

①島のまわりが断がい絶ぺきで全く砂浜がないこと。
②島のまわりが高く、島の真中が低くなっていて大小の池が散在し池の総面積が8万5000坪もあると云う。従って雨が降った水は海に流れるのではなくて島の真中の池に流れ込む
③防風材が2重にも3重にも仕立てられれている。
④水が少なくて飲料水は天水にたよる外はない。従ってのみ水を非常に大切にしている。
⑤農業はキビ作だけで、キビ運搬のために工場経営の軽便鉄道が使われてキビ積込地点が130ケ所余りあるそうだが道路は皆この積込地点に向けて作られて居る好に島全体の道路計画の立案、実施が六敷しからうと思われた。
⑥ あれだけの池の水を、なぜ農業用水に使はないのか、資本不足の故かと思ったが村長の説明によれば、「本土専問家に調査依頼した結果は海面と池の底或る層が出来て居て、バランスがとれていると思われる。
池の水をくみ出すことによってこのバランスが崩れる事があるとしたら池が海水でみたされる様なことが起るかも知れない」ということで農業用水としてくみ出すことに踏み切れないとの事
⑦役所、学校、政府関係の建物以外はすべてトタン葺と云ってよい、農業地帯にはクバの葉で葺かれた家もかなりある。
これは資材が余りにも高価につく為と云う。例を砂にとれば、砂1坪を沖縄本島で約13弗で買えるが、袋を買うその代価、袋につめる人夫賃、船運賃、荷揚賃、港から在所までの輸送費を計算したら南大島で使う時には1坪の砂が135弗にもなると云う。

※ 以上紙面の場合で概略報倍させていただきます。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000433-0004
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第22号(1969年8月)
ページ 2
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1969/08/15
公開日 2023/10/10