本村第128回議会定例会は去った6月10日に開会され同月30日までの21日間の会期で進められました。今度の定例会は、1969年度の総締めくくりと、1970年度の向う1ヶ年間における村発展のための目標に向って努力する、その裏づけとなる重要な予算議会であるだけに、全議員が、特に緊張した面持ちで定例会に出席されました。
普天間議長の開会宣言に始り、所要の定例会手続きを了えた後に、外間村長から1969年度における村政のあゆみと、1970年度における力強い施政方針が述べられました。
この定例会に提出されました議案は佐敷村税条例の一部を改正する条例を始め、十九議案について、慎重審議の結果それぞれ次のように処理されました。
議案の処理概要
※佐敷村税条例の一部を 改正する条例について (修正可決)
この件はこれまで村税(村民税、固定資産税、事業税)の徴収が村税条例に定めている納期に徴収されてないため、納税者にご迷惑をおかけしているので実際に賦課徴収が可能な納期に改め、お互いに無理のないようにしようと、村税条例中の一部(納期)について改正されたものであります。
※佐敷村ブルトーザー管理及び使用条例の廃止について (原案可決)
この件についてはこれまで村所有のブルトーザーを村農業協同組合に貸与して荒廃地の解消、その他農業の振興のために使用していましたが村農業協同組合長から村長に対して農協へ無償譲渡していただくよう申請がありましたので去る3月の定例会において審議された結果1969年4月1日付で農協へ無償譲渡することになりました。
それでブルトーザー管理及び使用条例が必要ないためこの条例を廃止したものであります。
※佐敷村育英会に関する条例の一部改正について
この件については(原案可決)村育英会では育英資金のほとんどが村予算からの補助金に依存している関係上、その補助額がこの条例に定めてある額(1万ドル)を超えんとしているので当分村の補助を仰がねば到底運営できない状態から条例に定めてある「1万ドル以内」を「2万ドル以内」に条例の一部を改めたものであります。
※請負契約について(可決)
この件については建設工時(道路、排水)その他を請負に附し、契約を締結する場合は佐敷村契約条例に基いて議会の議決を経ることになっていますのでその議決をしていただいものであります。
※佐敷村報酬及び費用弁償支給条例の一部改正について(修正可決)
この件については、議員を始め、その他報酬者が時代に沿って増額支給されるべき報酬及び費用弁償の額を引上げるために伴う条例の一部改正であります。
※佐敷村職員定数条例の一部改正について(原案可決)
この件については、時代の進展に伴い、住民に与える福祉は年々向上の一途をたどり伴うその事務量も遂年増える一方であります。
従ってこの事務を、より迅速に処理するためには、職員を増員しなければならない条例の一部改正であります。
※佐敷村職員の給与に関する条例の一部改正について(修正可決)
この件につきましては皆様ご承知のように年々限りない物価の上昇に伴い生活給である職員の給与額をそれ相当にアップする即ち待遇を改善するための条例の一部改正であります。
※佐敷村職員の旅費に関する条例の一部改正について(修正可決)
この件については現にこの条例に基いて執行している条文中に一部判然しない点があったため、是れを執行に支障のないように条文を加除し、条例の一部改正したものであります。
※村有財産の譲与について(可決)
この件については従来から村が村農業協同組合の出資967口(1口1ドル)を村有財産として持口していましたが村がこの出資を持口することは、好ましくないというその筋(農協側)からの指摘があったようで村へ払い戻すことになりました。
このことについて定例会に提案しましたところ慎重審議の結果各区世帯割に譲与することの議決になりましたので1969年7月1日付で、その区の財産(持口)として、農協に登録されています。
※佐敷村課設償条例の一部改正について(原案可決)
この件につきまして今、現にあるこの条例と実際に担当している事務の一部が「マッチ」しない点があり又一部入れ替えすべき点も生じましたので相一致せしめるための条例の一部改正であります。
※1970年度佐敷村才入才出予算について(修正可決)
この件につきましては1970年度即本年7月1日から来年6月30日までの1ヶ年間における本村のなすべき事業の裏付けとなる最も重要な才入、才出、予算であります。予算の編成に当っては才入の獲得に力を入れ、才出においては特に村発展のための事業面に意を注ぎ、各事業のバランスを考慮して編成した心算であります。
この予算によって1970年度は最少の経費で最大の効果を顕すべく執行する所存であります。なお本年度の予算額は295,606ドルとなっています。
※1969年度佐敷村才入才出追加更正予算について(原案可決)
この件については1969年度最終の追加更正予算でありましてその予算額は246,750ドルとなっています。
※1970年度佐敷村に水道事業特別会計才入、才出予算について(修正可決)
この件については本村は1970年度上水道事業予算として、政府補助金、村からの繰入金を財源として事業を執行しようとしています。
この水道事業は津波古地内の一部を皮切りに9月末日頃には着工する予定であり(いよいよ、完全に殺菌された北部の湧水が村の一部に配水されることとなります。
なおこの事業は毎年度予算の許す範囲において工事を進め、将来は全村民が斉しく、その恩恵に浴することができるように努力しています。
※1969年度佐敷村上水道事業特別会計才入才出追加更正予算について
この件については(原案可決) 1969年度は都合に依り事業は執行していませんが
年度締めくくりの予算であります。
▲ 教育委員会関係
※1969年度佐敷教育区才入才出補正予算について (原案可決)
この件は佐敷村才入才出追加更正予算と同じような教育委員会最終の予算であります。
※1970年度佐敷教育区才入才出、予算について (原案可決)
この件も佐敷村才入才出予算と全く同じような予算で村から教育費に負担した額は
61,050ドルであります。
※佐敷教育区教育委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する規則の一部改正について (承認)
この件は村の報酬及び費用弁償支給条例と同じように教育委員会委員の報酬引上げのための規則の一部改正であります。
※佐敷教育区教育委員会幟員の旅費支給規則の一部改正について (承認)
このことについては旅費の一部(宿泊料)が低額になっているのでこれをそれ相当の額に改めるための規則の一部改正であります。
※佐敷教育区教育委員会事務局職員の給与に関する規則の一部改正について (承認)
このことについては前に述べました村職員の待遇改善と同様、教育委員会事務局職貝も当然にアップしなければならない規則の一部改正であります。
以上十九議案が処理されました。
又、一般質問の日程では各議目から次のような建設的質印が質されました。
△ 質問の概要
1 政府道(四十四)潰地の補償はどうなっていますか
2 埋立ての第二、第三工区折衝はどうなっていますか
3 四十四号線沿いの建築の許可はどうなっていますかあまり道路に接近しすぎると思いますが(特に津波古地内)
4 税金を年間通して一定の額を徴収できないものか
5 畜産の奨励をする意味から去勢料金を補助する方法はないものでしようか
6 畜産振興のため獣医 (蓄産指導員)設置意思はありまんか
7 新里下の護岸裏の空地は村として発展的使用計画はありませんか
8 ガイダーの一斉防除はあまり効果がないようである今後のお考えをお聞かせねがいます
9 南部に青年の家が建設されるようですが誘致する必要はありませんか
10 町村合併についてはどうお考えになっていますか
11 港湾整備の計画はどうなっていますか
12 村道の補修をしてもらいたい
13 チリ捨場の処理どうお考えになっていますか
14 四十四号線北側の歩道をつけるよう折衝してもらいたい。
15 税金滞納者の処分についてどう考えていますか
16 村道と同じように農道にも石粉を入れてもらいたい 以上
村長はこの質問に対し次のように答弁しました。
ご尤なご質問有難とうございます。
本村にはなすべき事業が山積しています私は就任当初にも申し上げましたように、私は常に村民の世論を尊重して村民の意思に反しないよう村政を行いますと皆様のご指導のもとに過去3年有余努力して来たつもりでありますが今後も先程のご質問をよく検討して、皆様のご協力を得て解決し村民の幸せが益々向上するよう献身的努力を払いますと、力強く答弁しました。
以上第128回佐敷村議会定例会のあらましを申し上げましたが6月10日開会以来月末まで各案件、その他について慎重なる審議が行われ卓越なる英断をもって全日程を終了第128回議会定例会が閉じられました。