なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

(馬天潟原)「浚渫」と「埋立」やっと実現

8万2干坪を埋立 (第一工区)
佐敷村民が長い間の夢であり、願いであった馬天潟原の埋立が、やっと日の目を見て着工されるようになった事を、村民の皆様と共に喜ぶ者であります。この埋立工事は大変なお金がいりますので、政府にご相談をくりかえして参りましたが政府も政策的に沖縄本島の東海岸開発の拠点にしようと云う事になって、土地住宅公社に工事をさせるようになったのであります。
村議会としても色々と苦心し話合いを続けて結論を出して貰った次第であります。この埋立工事は住宅公社の予算の都合もありまして、3つの工区に分けて工事を進めることになって居ります。現在仮護岸を作っている所が第一工区で、8万2000坪であります。津波古、小谷側から流れる川の水は、今の護岸ぞいに流れて来て直接港の中には流れ込まないように設計されて居ります。第2工区は第1工区の東側で、浜崎川の川口から、西原村に向けて引いた線までとなっていて、第3工区は、その線から、仲伊保にある琉石ガスの下までとなって居ります。第2工区第3工区の埋立工事の認可はまだおりては居りませんが、書類をまとめて提出する運びになって居るようでありますので、今年一杯には、そのめどがつくものと思って居ります。ところが村民の中には、この埋立土地の利用について、刑務所を作るのではないかと心配して居られる方もあると聞きますが、村長及び議会としては、刑務所を受入れる事は考えて居りません。行政主席から馬天地先の埋立について佐敷村の意見を求められたのでありますが、村議会は慎重に審議していただき次のように条件と要望をつけたのであります。
1 埋立面積の中から、佐敷村が希望する場所に、村が必要とする面積を実費(理立に要した直接経費)で分譲すること。
2 埋立の目的以外には使用しないこと、特に刑務所用地には使用しないこと
3 農耕地との連繁をよく考えて排水路を完備すること。
4 埋立土地の利用計画については佐敷村の意見を充分に尊重すること。
5 道路については44号線と結ぶ道路を必要ヶ所につけること。
6 此の埋立計画に並行して馬天港の完備をしてもらうこと。
7 一般住民にも土地を分譲してもらいたい。

以上の通りに去った1968年11月の佐敷村議会臨時会で議決されて居るのでありますから、御安心をいただき度いと考えます。
現在におきましては村議会並に馬天港湾開発促進期成会の強いバックアップをいただいて馬天港の完備と埋立事業の続行について政府にお願いを継続している所であります。
この埋立計画(約35万坪)が出来上り、馬天港がきれいに完備された時には、わが村の人口は2万5000人から3万人位になるのではないか、相当の工業地帯になるのではないかと思います。この夢は何年後に実現するかは今の所はっきり申し上げることは出来ませんが、近い将来にわが佐敷村が大きく発展するようお祈りをしておしらせを終ります。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000432-0003
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第21号(1969年5月)
ページ 1
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1969/05/01
公開日 2023/09/21