並に管理について
みかんは土壌はかなり幅広い適応牲を持っておりますが適地として弱酸性の(PH5~6)北部地帯がよいとされています。中、南部に於いては現在殆んど宅地利用による栽培が主であります。沖縄で作られている主なる品種は、
1、オートウ、カーブチ、ヒラメレモン(シークワーサー)等で外に管理さえよければ、ポンカン、タンカン、夏柑、その他 二、三の品種が栽培可能であります。
2、台木の養成は種子がもっとも得易く他の品種と親和性(接木する場合)からして当面の台木としてシークワーサーが適当であります。先づ宅地以外に広く、みかん園を経営するために多量に苗木を必要とするときは台木としてシークワーサーをとりまきする播種床は堆歴肥を充分鋤込み排水不良にならないように床巾1m(三尺)長さ適宜の短冊床をつくるたねは20~25㎝間隔に浅い条播(スジマキ)をする、種子の間は2~3㎝にしてまいて後は土をかぶせ敷わらをする。その後の管理は適宜、除草、施肥、病害虫防除、灌水に努め翌年の梅雨期または翌々年春、発芽後に移植し二年後の秋には接木ができる大さに(鉛筆の太さ位)なるよう養成する
3、接木は、方法として芽接、腹接、切接などであるが、実生台木の場合は芽接の方がよい。
4、定植は始めに植穴の準備で直径深さともに90㎝(三尺)程度の穴を掘り堆歴肥、熔性燐肥等を土と混ぜながら埋める植穴は土が沈下して滌植となる虞れがあるので盛土にしておきます。移植の時期は12月~2月がよい植付の距離は最近成果期になるまでは長年月を要するので密植栽培が進められている約2m(一間)間隔に植付け何年か後に枝が混み合うようになったら一本おきに除いて本数を減じていく
5、植え方苗木はなるべく根を切らないようにし太根切面はきれいに切り直し地上部は適当に剪定(接いだ部分より30㎝位の長さ)し根をよく広げ根の間に土をよく押し込んで密着させ充分灌水をします。
6、肥料の施し方は樹冠(横枝の広がり)の範囲の部分に全面に撒布し軽く表土とかきまぜる。施す量は樹の年令や土壌別にきめるべきである先づ樹令別にしめせばおよそ次のとおりである。一本当り年間一年生で0.7㎏、三年生で1㎏、五年生で1.3㎏、10年生で3.2㎏、20年生で9.6㎏位が標準量である施肥の時期は春二回で一月中旬と三月中旬、夏も同じく二回で六月中旬と九月中旬秋は収穫後十一月中旬の年間五回に前記の一本当りの量を五回に分けて施します肥料の種類は現在みかん用がないので1~5年生はキビ肥料一号10、6、6(成分割合)を施し10~30年生は水稲二号の10、8、9を施すようにします。
7、病害虫防除について主なものは先づ病害、ソウ力病があるが発芽期(芽の出る頃〕開花前、落弁が落ちた後(花弁が落ちた後の三回銅水銀剤1000倍液やダイホルタン800倍液を散布する。
カイヨウ病については花弁が落ちる一ケ月前頃から1~2回に亘って銅水銀剤1000倍液又、アグレプト水和剤1500倍液を散布する次に害虫ではカイガラ虫類があるが発生期にEPN1倍又はエルサンジメトエート、PDVP1,000倍液を散布するエカキムシ(ハムグリ)は幼虫の加害時期に4~7日毎に硫酸ニチコン800倍液を散布するEPN1000倍液も効果があります。ミカン、コミパエ(ウジムシ)は産卵落果した実を集めて処分する産卵前にBHC(1%)粉剤を広い地域に旦って一斉防除をすることが大切です。その他管理については整地、剪定(せんてい)、摘果、土壌管理、台風対策がありますが今回は紙面の都合上省略致します。農家の皆さん、1~2月にかけてみかんの植付や接木の時期となりました、役所による苗木の購入斡旋、接木の突施等が計画されておりますので宅地や空地を高度に利用して各自が自給をしていただきたいと思います以上簡単にまとめましたがなおしいことは役所経済課に問合せ下さればその都度資料の提供、相談に応じたいと思います。
農業改良普及員(経済課)