教育委員長 津波元八
明けましてお目出度うございます。申年の昭和43年は、内外ともに多事多難の年でありましたが、吾々教育委員としても、希望に燃える年でもありまた、反面苦難の年でもあったわけであります。と申しますのは、かねてからの計画により、三階建の校舎建築ということで希望に燃えてすべての段取りも整い、第一期工事が地下工事と一階と云うことで小波津組によって9万4180ドルで着工、昨年10月5日工事完了して、第二期工事の二階三階工事の段になって、色々の問題が起き、民政府の係官から今までの設計の三階建は無理だと云う意見が出て、われわれ委員会及山城中校長も大変心配し、色々と打開策を講じてぜひ、最初からの設計通りの工事を進めていきたいと、民政府及政府文教局の係の方々ともあらゆる方法で接衝をしたわけでありますが、問題は三階建にした場合、荷が重すぎる、もし三階建にした場合は三階は軽量化しなければいけないとかの問題でありました。文教局及び野原工事管理人の担当者の並々ならぬご努力により、最終的には話し合がまとまり、予定通りの設計で三階建にすることに決ったわけであります。そのため二期工事の二階三階着工は少しおくれましたが、昨年9月15日に小波津組によって10万6379ドルで工事着工と云うことになりました。小波津組としては委員会及び学校当局の要望にこたえ、全力をあげて来る3月の工期限までには、必ず完成すると云う意気込でピッチを上げて居りますので、われわれもこれでひと安心しておるわけであります。
前述の通り、もしもこの二期工事の着工が難渋して三階建も出来ず、新学期にも間に合わない場合、われわれ委員会として、村民の皆様にかねてからあれほど公約として披歴した手前、責任の重大さを痛感し、いかにすればよいかと戸惑った次第でありました。
大事業の前には色々の難問題が次から次と出て来るものだと云うことを改めて痛感した次第でありますが、これが解決されて感慨無量であります。全村民挙げての中校移転という大事業、三階建の新校舎が出来上りましたら、内客外観ともに佐敷村の一偉観となることを思います。
このモダン新校舎が出来上ることによって我が佐敷村が自他共に教育村にふさわしいシンボルが出来るわけであります。
今後とも佐敷村がますます教育村として繁栄するよう祈念いたしますとともに、中学校移転の事業の促進のために、村民各位のなみなみならぬご協力をいただきましたことに深く感謝の意を述べ、今後も学校建設のためにひきつづきご協力をお願い申し上げ、新年のごあいさつといたします。