農協長 宮城篤仁
1969年の輝かしい新春を迎えるにあたり、平素農業に精励しておられる、村民初め組合員及び協力組織の皆様に、謹んで新年のお慶びを申し上げます。1968年は、村民がもっと豊になる事を祈念致しまして一年の計を元旦に掲げて発足はしたものの農家や農協にとっては、例年に比べて製糖期が半月も遅れ、更に収穫期に雨が多かった為、平年以上の生産量を、果してその時期に処理出来るか心配され懸念もされた。然し乍ら結果的には良く、戦後最大の生産量を最少日数で処理出来、農家所得も最大の年を迎える事が出来ました。昨年のキビ生産量は戦後一番の最高記録を作り出した、その実績は、甘蔗作農家の日頃の努力の賜でありまして皆様と共に喜び感謝にたえません。昨年も台風には見まわれたものの雨量が少く、私達農家にとって本当に10日越の夜雨が欲しい年でありました、1969年は昨年10月と12月に行いました、農協生産者大会を機会に、組織の結託を計り、公報車を十二分に活用して、組合員教育を実施するために「三つくり運動」に力を入れて行く所存であります。この三つくり運動とは、人作り、物つくりそして、明るい農家作りであります。農家が栄えて農協が発展し、明るい豊かな生活を築いてゆく事が私達農協の使命達成の目的であります。特に新年には全役職員の機能を十二分に発揮し、毎日の業務に繁栄させるため生産資材においては、高度化成肥料の100%利用を奨めて働力を補い生産費の低限をはかる、一方生活資材においては、生活指導員を設置し村全体の生活改善策に取りくみ、農村の生活が向上し文化の発展と共に、考える有畜農家を作りあげて行くため、皆様と共に勉強し努力して行く新しい年に向っての所存で御座いますので、旧に培して農家発展のため、皆様方の御協力をお願いしますと共に、全村民の限りない御多幸を祈念致しまして年頭のごあいさつと致します。
1969年元旦