本日第123回佐敷村議会定例会を招集いたしましたところ全員ご出席のもとに開会できましたことを感謝いたしますとともに招集がおくれましたことを深くお詫びしお許しくださるようお願い申し上げる次第であります。
1968年度を振り返って見ますといろいろの事柄が走馬灯のように明滅いたします。
○中学校移転について
先ず中学校全面移転につきましてはご承知の通り移転促進期成会をつくって全村的な事業として取組んでもらいましたが特に村議会の絶大なるご協力によりまして敷地の購入及地均し校地に通ずる道路の取付け等とスムーズに進み現在皆様方ご覧のように第一次建築工事がピッチをあげて進行中でございますが全面移転を完了するまで忙は尚幾多の問題があると老えられますので議会皆様方のより一層のご協力が要請されるものだと思います。今後に残された事柄につきましても、又ご指導ご鞭燵くださるようお願いいたします。
移転完了後はたしかにより以上の教育効果があらわれて、佐敷村の将来をになって立つ幾多の若人が養成されるものと期待している次第であります。
○経済面について
経済面につきましては去った67、8年期の砂糖きび生産量がご承知の通り自然現象の好条件も手伝い皆様方の指導が効を奏して肥培管理、病害虫の防除等が適期は行われまして村として生産量の新記録の樹立が出来たわけでございます。去った5月28日に行われました南部地区産業共進会におきましても村は総合3位の成績を示していただきましたが夏植きびは佐敷区の屋比久保久氏が株出きびは新里区の玉城安秀氏が共に一等の成績をあげていただきましたしその他、豚、水稲、ジャガイモ、生活改善等も出品しただけは全種目入賞に輝いたわけでありまして出品者の方々にもこれ位で入賞出来たのだから今後はモウ少し工夫を加えることはなんでもないことだと張切っておりまして来年期を楽しみに期待している次第であります。
この新記録樹立を村民と其に喜ぶために豊年祭を計画したわけでありましたがこれ又議会が全会一致推進していただきましたことにつきましても厚くお礼を申し上げ、来期生産も又豊作でありますよう、皆様とともに祈念申し上げる次第であります。
○埋立の促進について
馬天瀉原の埋立につきましては佐敷村遂年の願望であります。この事については政府としてもかねてから埋立の話はありましたが、ご承知のように刑務所移転ともからんで立消えになったのでありますが近時沖縄本島の西部に片寄った発展が話題になり、本島東海岸を利用開発して人口の移働都市づくりが計画されつつあるのであります。この問題につきましては政府の計画があり一面又営利会社の方も計面がありましていろいろと話し合い又陳情がなされているわけでありますが村議会としても重大関心を払っていただきまして、特別委員会等も設置して下さったわけでありました。
現時点におきましては住民福祉の面からと国土開の観点から政府事業として行きたいとの政府見解と解釈しております。
特別委員の方々がいろいろの面から研究していただきましたそのお姿に接して感謝に堪えません。この埋立が実現の暁は住宅地として又工業地域として、将、又港湾地域として発展することを夢見て尚一層の努力を払う決意でありますので、特に村議会のご協力ご咜声をお願い申し上げる次第であります。
〇基本施設について
次に政府助成工事につきましては、米国の沖縄援助才入欠陥から86年度工事として申請してありました工事箇所中伊原地内の農道工事のみが現在施工している現状でありまして後の工事は指令が下るのを待っている次第であります。ドル防衛と云い金の価格問題と云い経済が如何に世界的に目まぐるしく働いているかと云うことを知らされた一幕だと云えましょう。幸にしてやっと68年度の4.4半期から失業対策事業を開始することが出来ましたこの事業は本土事でないにしろ、当分の償いには欠かすことのできないものでありますので新年度においても続行できるようその筋にお願いをしているところでありまして明るい見透しだと信じています。
○財政面について
財政面につきましては自主財源の確保に重点をおいて賦課徴収面の検討を続けて参りましたが、徴収方法の強化と云うことを考えて数年来からの懸案であった区長に徴収事務を委託いたしました結果は、各区長の責任ある事務遂行によって、よい成績を上げているのでありますが、今年度はご承知のように講和前補償金の支払いという、大変むつかしい事務を処理しなければならなかったこともありまして税の賦課徴収事務がおくれていることお詫び申し上げなければならないのでございます、固定資産税の部では村平均で約90%村民税が現在徴収中でありますがこれも良好な成績のようであります。
○事務改善について
事務改善につきましては先づ住民登録事務を中心に村の人口を的確に把握しそれに伴って、各面の事務が簡易化される様に諸準備を整えており、先般の定例会で議決していただきました備品、書類が封着次第その整理ができるように手はずを整えているところであります。
これが近い中に出来るようになりましたので遂次一冊の中に住民登録、印鑑、資産等一見してわかり、事務的横の連絡もスムーズに流れるようになると期待している次第であります。
二番目に年来考えておりました、受付における現金取扱いの改善であります。職員(女子)を1人収入役室に配置いたしましたので書類の企画をして5月1日から受付は事務のみにし各種手数料の現金は収入役室の窓口で取扱ようにいたしました。これで受付の職員も出納の職員も無理なく事務が進められるようになりました。
○職員の事務研修について
職員の資質の向土に資し事務能率のアップを推進するために本土の自治大学や都道府、県、での事務研修のための派遣を考えて見ましたが、最低限の人員の中から1人派遣した場合その間の事務処理に困るのではないかと心配して派遣を見合わせた状態でありまして今後は何とかして短期間でも派遣できないかどうかを再検討すべきだと考えております。
○産業の振興について
村の各種産業の振興を図るためには現在の農地の在り方を替えなければならないと思いまして村一円では至難な業だと考え、ある一定の地域だけでもモデル的に進めて見たいと考えまして、その筋又は、住民との話し合いをお願いし指導してもらいましたが一回の指導では地主がその特徴の把握と云いますか先祖代々伝えられて来た土地に対する考え方と申しますか、又目先の利害関係に大きなウエイトを持つ考え方をかえて行く困難さが強く感じられて納得させることができませんのでこの種の話合いは新年度におきましても部落を替えて見たり、或は地主と云いますか地域をかえたりして続けて行きたい所存であります。
○水道事業について
68年度に認可中請をしておきました水道問題につきましては69年度において補助をしていただき工事ができるようご配慮願いたいと陳情書も提出しておきましたが69年度において補助を考慮したい旨の回答もいただいておりますがこの問題は認可下り次第早急に皆様方議会にお諮りする必要がありますのでその旨の考慮をしている次第であります。今まで新年度に対する考え方も加えて述べて参りましたが新年度の予算編成については或る程度無埋を押しても自力工事を計画実施して助成工事のみでは遅々として進まなかった産業基盤の整備を少しでも進めていきたい所存であり産業経済面におきましても今期豊作の余勢を借りて来年度の増産のために病害虫の一斉防除を実施して行く考えであります。
以上簡単ではありますが過去1ヶ年のあゆみと新年度における方針の一端といたします。
1968年6月15日
佐敷村長 外間長賢