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社会教育主事として 村担当 仲村幸信

内外ともにいろいろな出来事のあった昭和42年が終り、昭和43年の新しい年を迎え、村民のみなきまとともに、謹しんでおよろこびを申し上げます。
さて、最近、社会教育機関団体の主催又は共催によって各種の研修会や講演会、母親学級、家庭教育学級講座等が開設され、村民の一般教養の向上、文化的な生活技能の習得、明るい社会の建設等をめざしていろいろな学習活動が展開されるようになったことは社会教育にたずさわる者として誠に喜びにたえないところでります。
人間を形成するための教育に学校教育と家庭教育とそして社会教育の3つがあり、この3つのバランスのとれた充実こそが教育の真の成果をもたらしうるものであるということは誰でも知っていることであります。しかし、社会教育とくに一生を通じての成人教育の現状は行政の面でも、実際活動の面でも学校教育に比べて立ち遅れがしています。めまぐるしく変ってきた社会生活に伴って、成人の学習の重さは著しく加わってきています。学ぶことをやめることは、単に停止することでなく、退歩することを意味します。
学校を終えれば自ら足れりとする伝統的な教育観は基礎工事だけを終って家を建築した気になっているようなものであり、このことの認識が成人自体の側に必要であることは申すまでもありません。
村の社会教育を担当する者として、今までの成人教育について反省し、今後あらゆる階層の人々が生涯を通じて、その要求し、求めるところに応じて、教養や生活技術などを学びとっていくことができるような態勢づくりに努力するとともに、社会の進展につれて次々に出現してくる新しい学習課題を効果的に学びとるための学習内容と方法を組織的な体系だったものにし、成人にとってほんとにプラスになる教育内容にしていきたいと思います。ところで、最近の青少年の非行が複雑多岐な暗い社会問題としてクローズアップされています。青少年非行は、単に、その数が急増しているばかりでなく、悪質、粗暴化、集団化、低年令等の傾向を示し、私たちの常識でははかり知れないほど目にあまる犯罪や非行がひんぱんに発生しているが、これは沖縄のみの問題でなく本土や世界各国においても同様な現象を示しており、その対策については、あらゆる角度から検討が加えられています。幸い、村では将来を背負って立つ青少年を健全に育成するために村長を会長とする佐敷村青少年健全育成協議会が結成されました。さらに各部落でも教育隣組や部落PTAが結成されつゝあります。今年はとくに部落PTAや教育隣組の育成に頑張りたいと思いますのでみなさま方の御指導と御協力をお願い致します。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000426-0009
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第15号(1968年1月)
ページ 2
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1968/01/01
公開日