なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

村民がモット豊に 農協長 宮城篤仁

村民初め組合員及び協力組織の皆様、明けましておめでとうございます。
 昭和43年の輝かしい新年を迎えるにあたり農家にとって一大躍進の年でありますよう心から念じます。組合員の皆様も平年であれば製糖操業期のお忙がしいお正月でありますが本年は10月16日の台風ダイナーの影響によってキビの熟度が遅れた為私達農協長の早期製糖の要望もとり入れられず1月5日の製糖開妬を前にしてのお正月を迎える事はなにかと辛いような感じが致します。然し乍ら一方では家族全体が農休日として一家揃って豊年を祈念しながら正月を迎える事も良いものと考えます。昨年は農家や農協にとっては色々の問題が最も多い年でありました。キビのブリックス「スライド」廃止から再びスライド制、砂糖価格の値上陳情、キビ増産による機械化の問題、農協役員改選による協力体制の強化、沖縄農業協同組合大会の開催によって農業基本法の早期制定、農業災害制度の確立、畜産の振興をはかる為の施策の強化、農家に対する医療保険の早期実施、農業関係予算の大巾獲得等の決議を全会一致で可決し琉球政府に対しその早期実施を要請すると共に11月1日東京で開かれた第11回全国農業協同組合大会に沖縄より9名の農協代表を送り本土農業組織との一体化、祖国復帰と復帰休制の整備促進を訴え全国代表2,000名が全会一致で可決し日本政府にもその実現方を強く要請してきた年であります。このような昭和42年の年を送ると共に昭和43年においては私達の要請が一日も早く実現し農家生活の安定と農家と農協の結びつきをより強化する年を迎える事は皆様と共に喜ばしい事であります。
私達農業団体も昭和43年の申年は本当に農家の年であります様に特に諸問題を解決すべく村当局、議会、農協が一体となってその課題実現の為の方向に農政問題、農畜物の価格対策の方向、農業金融の強化と能率化、農業技術の開発と営農指導の拡充生産と消費を結ぶ流通分野の体系、沖縄農業をとりまく現時の情勢を確認し農家生活向上の為組織活動を通じて前進させて行く所存であります。
組合員の皆様本年も旧に培して農協百パーセント利用に協力して戴きまして43年度こそ貯金高も100万ドルを突破させて下さいますようお願いを申し上げると共に全村民の限りない御繁昌と御多幸を祈念致しまして年頭の御挨拶と致します。
昭和43年 元旦

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000426-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第15号(1968年1月)
ページ 1
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1968/01/01
公開日