本村議会第119回定例会は9月28日午前10時から村役所会議室で開かれ一日間の会期で村長から提出された次の九議案について慎重に審議がなされました。その結果それれぞれの案件について次のように可決されました。
▼議案第二十六号 村有財産を担保に供することについて
本件はご承知のように中学校の移転に伴う敷地買収によるその土地代支払いのため村債を起し株式会社琉球信託から5万ドルの借入をしましたがその借入金の担保として村有財産(土地)の一部字仲伊保一花原10,381坪を担保に供することの議会の同意を求めましたところ慎重審議の結果同意されました。
▼議案第二十七号 佐敷村退職金支給条例の一部を改正する条例について
本件につきましては失業保険法が1967年6月28日施行の立法第十六号で一部改正になりましたので伴う佐敷村退職金支給条例の一部を改正しなければならない理由が生じましたのでその改正条文について議会の議決を求めました件でございます。その改正条文の内容を簡潔に申し述べますと現在の佐敷村退職金支給条例では失業保険法の一部改正条文からして職員に対する退職金の支給額が下廻ることになりそのまゝ施行しますと失業保険法に基きその保険に適用されることになります。従ってその適用を受けた場合保険料として毎月その人の給料月額の千分十を村とその個人が折割で納めなければなりませんので村財政からの負担と職員がこうもる不利益は大であります。そこでその保険から適用除外にせしめるために現在の佐敷村退職金支給条例に一部改正の必要条文を加え提案したところ慎重に審議の結果原案どおり可決されました。
▼議案第二十八号 親子ラジオを村が管理運営することについて
本件につきましては現在の佐敷村親子ラジオ運営協会が管理運営している有線放送施政を村が一切引取っていただき管理運営してもらいたい旨同協会々長から願出がありましたのでその受入れについて議会の議決を求為件でございます。その願出の理由としましては、
1, 郵政庁より村への移管勧告があったこと。
2, 将来において運営困難が予想されること。
3, 南部町村のほとんどが村営であること。
以上が同協会長からの移管願いの主な理由になっています。この件について議会では同協会長から提出されました移管願いについての内容を慎重に検討された結果受入れについては異存はないが受入れの時期が明らかでない旨質されましたので村長はこれに対し若しこの件について議決していただきましたら早速解散総会等を済ませ12月の定例会に追加予算を提案して1968年1月1日を記念して受入れたい旨述べました。
このようにしまして長時間に亘り慎重な質疑が交されました。その結果原案に受入れの時期(1968年1月1日)の条件を附して可決されました。
願出書は次のとおり
親子ラジオを村へ移管願いについて
本村親子ラジオは1952年米国民政府より重債譲渡で施設され、当時500戸の加入者をもって佐敷村親子ラジオ運営協会を組織して発足し社会内外の二ュースや、国際的情報等広く聴取の恩恵に浴し村民の知識向上や日常生活に大きな役割を果して運営されてきました。
然るに当協会では前記理由により当協会一切の施設その他を村が引取って運営していただきたいと思いましたので当協会の評議員会及び総会においてお諮りいたしましたところ全員賛成の意思表示も確認しましたのでこの際村で管理運営していただきたくお取計いくださいますようお願いいたします。
1967年9月 日 佐敷村親子ラジオ運営協会 会長 外間長賢
佐敷村長殿
▼議案第二十九号 1968年度佐敷村才入才出追加更正予算について
本件については先ず才入を市町村交付税(特別交付税)を8,361ドル政府支出金(新里地内排水工事費12,190ドルの80%)を9,752ドル寄附金(同工事に対する地元寄附金工事費の10%)を1,219ドル雑収入(農協より1967年度の配当金)を72ドル合わせて19,404ドルを追加計上いたしました。
才出では議会費(沖縄市町村議長会への負担金)に32ドル役所費(農村電話を郵改電話に切替えのための費用備品購入費、新里地内排水工事費の10%負担。
兼久地内排水工事費の設計・手数料、村長本土研修費等)に833ドル財産費(中学校々地への土砂運搬トラックの千台分)に3,400ドル諸支出金(農協への増口)に72ドル教育費負担金に2,450ドル合わせて19,404ドルを追加計上いたしました。
今度の提出したしました1968年度佐敷村才入才出追加更正予算総額は208,296ドルとなっています。この追加更正予算につきましては各款、項、目、節について活発な質疑応答が交され長時間に亘る慎重審議の結果原案どおり可決されました。
▼議案第三十号 佐敷村水道事業の経営について
本件につきましてはご承知のように水道本管は四四号線道路を沿い新里区まで敷設されその配管工事のための測量設計も終え現在は水道事業の認可申請の段階に至っておりますがその認可申請書には議会の議決を要しますので予めその経営について議会の議決を求めました。この件につきましては次の議案第三十一号及び第三十二号とも関連しますので一括審議になりました。
▼議案第三十一号 特別会計の設置について
本件につきましては本村では1969年度即ち1968年7月1日以降に本格的な水道事業を開始する予定でありますのでその会計を一般会計から切離して特別会計を設けその才入才出を専ち事業収入で賄うため特別会計設置について議会の議決を求めました。
▼議案第三十二号 1969年度佐敷村水道事業費特別会計才入才出予算について
本件につきましては前議案の特別会計の設置が議決になりますと伴う予算措置についての提案でございます。この予算につきましてはあくまでも予算でありますので先ず特別会計才入才出予算総頒を87,816ドルを見込み内、政府の補助金を4万ドル起債額4万ドル残る7,816ドルは一般会計からの繰入を予定しての才入を見込んだのであります。事業面の支出につきましては最少の経費で最大の効果を上げるべく水道料金の負担等充分考慮に入れての予算見積りでございます。
以上のように議案第三十号から三十二号までの水道事業について今議会へ提出しました理由を簡潔に申し述べましたがこのことにつきましては佐敷村水道事業の測量設計を引受けてくださった総合土木コンサルタンツの社長をお呼びして審議に入る前に水道事業の内容を詳しくご説明していただき後に議会において水道事業関係三議案について長時間に亘り質疑が交されましたが慎重審議の結果可決されました。
▼議案第三十三号 佐敷区教育委員会職員退職手当支給規則の一部を改正する規則案の承認について
本件につきましては前の議案第二十七号で申し上げましたように失業保険法の一部改正に伴う規則の改正のための提案でございますが慎重審議の結果原案可決されました。
▼議案第三十四号 1968年度佐敷村教育区才入才出追加更正予算について
本件につきましてはご承知のように中学校移転に伴う移転準備その他の経費に充てるため2,705ドルを追加計上して提案しましたが原案可決されました