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中学校移転準備始まる

本村中学校の校地拡張と移転につきましては数年前から教育委員会を中心に各種団体を綱羅した校地獲得期成会を組織しあらゆる面から検討を加えその獲得に努力されたのでありますがなかなか思うように進展せず現在まで持ち越されたのであかます。しかし早期に校地を求めない限り切角の文教局から校舎割当も返上せねばならない現状に迫りましたので早速兼久区の海辺にある築島周辺を埋立て校地を造成すべくその埋立て計面が進められていましたが急を要する校地の獲得だけにこの計画も取下げることになりました。その後いろいろとその問題に取組み討議の結果字兼久護岸側に接した広い耕地を一応候補地として挙げられました。
しかし限りない人口の増加と限りある耕地を潰すことは偶びないことではありましたが一応関係地主に折衝を始めることになりました。
予想どおりこの問題にも随分難渋を極め数回に亘る折衝の結果やっと各地主のご理解によりその獲得に実現したのであります。この掌に当って戴きました議員各位及び教育委員会の委員、学校当局、関係区長その他有志各位に対し深く敬意を表する次第であります。このようにして一応4487坪の校地買収の目途はつきましたがその地代及び整地に要する費用7万ドルの支払いのねん出に問題となりましたので早速去った5月11日臨時議会を招集いたしまして土地を買収することと地代支払い並びに整地費用に要する起債について提案致しましたところ全会一致で可決されました。結局7万ドルの村債を起し村の財産として土地を構入し中学校の移転敷地に充てることになったのであります。然し借入れの額につきましては村民の負担能力等も充分に検討された結果各面から苦面してしぼり出した資金2万ドルを活用し起債の額を5万ドルに減ずる事になったのであります。この借入金の償還につきましては10年償還とし元金均等額に利息を加算して本年度から毎年琉球銀行へ納付することになっています。来年4月開校を目途にした事業でありますので早速去った6月30日から買収地の埋土作業が始められました。その敷均し作業につきましてはCSG部隊の米琉親善委員会からブルトザーを無償貸与していただきご協力くださったのであります。これで一応敷地の準備も九分どおり整って居り後は校舎の受入を待つばかりでありますが計画どおりの工事が進み来年4月の開校には理想的な校舎にひろびろとした運動場でのびのびとした学校教育ができ村の将来を擔う若人が心身共に健全に育成されることが約束されます。村の大事業でありますこの事業が完遂することは村民が等しく喜びとするものでございます。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000424-0006
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第13号(1967年8月)
ページ 2
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1967/08/01
公開日