佐敷村消防団では去った1月6日午前6時に団員30人が役所前広場に参加して恒例の消防出初式を行った。この出初式には村長を始め馬天水上巡査部長派出所又佐敷巡査駐在所の警察官が参集され佐敷村消防団長小谷妙八氏の号令のもとに団員の迅速、機敏な整列に、始まり、先づ、服装点検、消防機械器具の点検、消防車による操法訓練等が行はれた。後に出初式に移ったが先づ式は村長のあいさつに始り与那原署長のあいさつ、消肪団長の答辞等があって午前7時すぎ消防出初式が閉じられた。
式終了後警察官を囲む懇談会が行はれたが席上次のような事項を村民に呼びかけ今年こそは絶対に火災を防ぎましょうと強調されました。

1　先づ子供の火遊びは絶対に注意してください。
2　お寝み前にはもう一度火の元を確めてください
3　火のついたタバコの吸毅はやたらに捨てないようにしてください。
4　原野等に火入れの際は必す村役所へ連絡してから火入れをするようにしてください

その他色々と注意していただくよう話し合はれました。その後消防団では消防車による村内を一巡して防火思想の掲楊を回り石油版売所、風呂屋等の防火検査を行い午後4時出初式の全日程を終了した。
尚村長のあいさつ与那原警察署長の訓辞、佐敷村消防団長の答辞は次のとおりである。

△村長のあいさつ
皆さんお早うございます。輝しい1976年をお迎へした本日の消防出初式に寒波を押し切って参集してくださったことを感謝致します。本村から火災による損害をなくすることが私たちの念願であり又皆様方消防団員の重大な責務であります。「備えあれば憂なし」と申しますように先程の消防機械器具の整備状況を点検しましたが、よく完備していること又ポンプの操法が迅速確実であることは実に意を強くいたしました。しかし、消火行動が迅速であることは大切なことではあるが先づ火事を起さないようつまり予防消防の指導が第一だと考えます。村民が皆様の気持と一ツになり予防消防に万全の策が講じられるよう一層のご指導をお願い申し上げあいさつといたします。
1967年1月6日　　　佐敷村長　外間長賢

△与那原警察署長あいさつ
輝かしい1976年の消防出初式に当り謹んで新年のお慶びを申し上げるとともに当佐敷消防団員が旧年中消防力の強化拡充と住民に対する防火思想の高揚のため努力されたお蔭に依り火災害を大巾に減少させ得たご苦労に対し心から厚く感謝申し上げるとともに団員の皆様が益々一致団結され今年も益々飛躍発展されんことをお祈り致します。
ところで昨年中当地区の火災発生状況を見ますと建物12件原野8件計20件になって居り前年に比し減少したことは喜ばしいことではありますが従来原野火災を軽視したため大量に甘蔗を焼失した年例が沢山あります。このことは火災に対する不注意から生ずるものでありこれが予防については啓家宣伝の強化と住民の協力によって効果をあげられるものと思います。
今や農村といへども電化製品の恩恵に浴し殆んどの家庭が文化生活を営んでいるため反面消防の強化がさけばれています。故に今年はその面に対す予防活動に留意され平和で火災のない文化生活と村造りに努力されんことをお願い致しまして挨拶と致します。
1967年1月6日　与那原警察署長　安田勇

△消防団長答弁
本日の消防出初式の式典に当り団長として答辞の一端を申し上げます。
輝しい1967年の新春を迎へました。省みますれば佐敷村におきましては1、2件不慮の建物火災に会いましたがその際、警察ならびに村当局及び村民のご援助とご協力に依りこの火災も不幸中の幸にして少々の損害で済みましたのもこれひとへに関係者各位のご協力に感謝致しております。
われわれ村消防団は希望あふるる1967年をお迎へると同時に益々消防精神を発揮して過年のような惨事が再び起らないよう団員の団結強化を新にし村民の生命、財産保護の重責を果し火災のない住みよい村にするととも佐敷村発農のために邁進する覚悟であります。以上答辞と致します。
1967年1月6日　佐敷村消防団長　小谷妙八