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新年度予算額119844ドル 第112回佐敷村定例議会終る

九件の議案を可決『明るい平和な豊かな村づくり』に
第112回佐敷村定例議会は6月10日から28日までの19日間にわたり村議会室で開かれた。
6月の定例議会は1966年度のしめくくりであり、新年度を迎える重要な定例議会で、今議会では、議案第六号1966年度佐敷村歳入歳出追加更正予算議決について議案第七号佐敷村給与に関する条例の一部を改正する条例議決について、議案第八号佐敷村退職金支給条例の一部を改正する条例議決について、議案第九号佐敷村報酬及び費用弁償支給条例の一部を改正する条例議決について、議案第十二号村道路の認定議決について議案第十三号佐敷区教育委員会等の報酬及び費用弁償に関する規則の承認についての六議案を原案どおり可決、議案第十号1967年度佐敷村歳入歳出予算議決について、議案第十一号1967年度佐敷教育区歳入歳出予算議決について議決第十四号佐敷区教育委員会事務局職員の給与に関する規則の承認についての三議案を一部修正して可決した。
では今議会における1967年度村長の施政方針議案説明の概要次のとおり
 
本日茲に第112回定例議会を招集致しまたところ、全員のご出席をいただきまして今議会が成立致しましたことを衷心から感謝申上げます。
今議会は1967年度の予算を審議決定していただく予算議会でありますので、新年度に望む私の村政に対する抱負の一端を申上げて議会のご協力をお願い申し上げる次第であります。
私の村政に対する心構えは「明朗で平和な豊かな村」と云うことであり「常に公正に事を処する」と云うことが村長就任以来の方針であります。
幸にして議会の皆様を初め区長各吏員諸君が一致協力していただき牛の歩みにも似て遅々たる事ながら一歩々々前進できますことを感謝して居ります。
要はうまずたゆまず努力することによって住民自治を高め、村民の福祉向上が着々と積重ねられて行く事が出来ますよう全力をあげて行く覚悟でございます。村政を執行するに当って特に村民の世論の動向に細心の注意を払い是は是とし非は非として之を尊重し対外的問題については村民福祉の向上のため軍民両政府はその他関係機関に対し財政的、技術的援助を積極的に折衡要請を行い議会のご協力を得て早期解決を策し対内的問題は常に村民に対するサービスをモットーとして事務を正確に早く出来るよう職員の事務能率を高めるために努力し加えて職場を明朗化して愉快な職域たらしめたいと念ずるものであります。
次に議案第十号1967年度佐敷村才入才出予算案の大要をご説明致します。
先ず新年度予算案の特色は皆様ご承知の通り教育負担金が新しく加えられたことであります。
予算総額金119844ドルとふえて編成致しました。特に才入面で変動の大きいものは税収が大きくふえたことであります。
これは教育税の廃止に伴い村税の標準税率百分の0.5の税率から百分の0.9に改正になったためでありまして現年度予算額に比し90パーセントの増であります。
次に市町村交付税を78100ドルと算出してあります。この中には教育税に代る市町村の教育負担金が算入されて居りまして標準交付率により約25,600ドルがその相当額と算出されます。
政府支出金が大きく後退しているように見えるのは現年度予算の中に予定されていました保育所建設が新年度に予定しておいたためであり繰入金の1,700ドルは今まで蓄積されていた、非細分地料が先に村四に対して相当部落六の割で分けることにきまりました。
村四の分を繰入れましたその他は現年度予算額と大同や異でありますので次の円グラフによってご了承お願い致します。
次に才出について申上げますと一款議会費に現年度予算額に比して1,174ドルを増やして計上してありますがその理由は議員報酬を13ヶ月分659ドルと職員給日一割の増俸を予定して210ドルと旅費は教育予算の審議が加りますので203ドルを増し新たに公務員退職年金負担金が78ドルに医療保険法施行による負担金が25ドル需要費が108ドルを増し諸費に684ドルを減じて計上してありますがその理由は特別旅費と申しますが議員の本土研修を新年度では見合したのであります。
二款役所費では現年度予算額に比して6,622ドル増して計上してありますが、その主な理由は職員給を10パーセントの増俸を予定し三役は一律10ドルに止め世話人、給仕も10パーセントの増俸を予定したからであります。
旅費は74ドル減額してありますのは本土研修を見合したためであります。
四項に1,234ドル五項に396ドルを新規計上してあるのは先に申上げました公務員退職年金法医療保険法の実施による雇用者負担額であります。需要費に2534ドル増額計上してありますがこれは乗用車を1台購入したいために2,000ドルと各節における費目の値上りを534ドルと見積ったからであり交際費は現年度の績によったものであります。
固定資産評価費に395ドルを増額計上してあるのは補助員の報酬を日給2ドルを3ドルに引上げた額と二目に需要費を設けて新規に188ドルを計上したためであり四項諸費に211ドルの増は研修費としてあるが諸調査のための各議員のご参集を願うための経費に128ドルの増を見積り負担金の増額によって162ドルの増を来たしたが土地測量費が費目存置となって79ドルの減となったためであります。
三款消防費一項三目で112ドルも減にしたのは団員ハッピ代が現年度で出来上ったためであり二項の営繕費で150ドルの増は消防車が大分古くなっていてエンジン並にポンプが大巾に修理を要すると見たからであります。
四款土木費はわずかに137ドルを増したが原材料の値上りと需要費に86ドルをふやしました。
五款社会及労働施設費が大きく17,995ドルも減じているわけは保育所の建設予定をしていないことが大きな主因であります。その他六項の老人福祉費に726ドルを増してあるのは老人福祉法の実施によって老人の健康診断に義務づけられたからであります。六款保健衛生費もわずかに134ドルの増でありますが上水道費の項を設けて現年度の決算額定次第追加増額していくつもりであります。
七款の産業経済費に1,372ドル増額してあります。
理由は三項産業奨励費の一目病害虫駆除費で共同防除のためミスト機を二台購入したいための経費と原材料に不足を来たさないようにしたいための経費と出来るだけ、排水施設の整備に力を入れたいためにその経費とを見込んだのが主体であります。
九款選挙費の減は皆様ご承知の通り新年度においては村議会議員の選挙のみでありますのでもっと減になる筈でありますが委員長及委員その他事務従事者の日当の増額を見積りましたために364ドルだけの減に止めました。
十款公債費の減は償還金の利子が減じたためであり十一款支出金の減は寄附金の項目を廃目にして寄附金を予定しないことにしたのが主体であります。
十二款の教育負担金は新しく設定されたもので数度に亘る教育委員会との調整によって税増収分6,641ドルに21,359ドルを補填計上してあります。細部については教育予算案をご審議いただいて議決下さるようお願い致します。1967年度佐敷村才入才出教育予算案の大要をご説明申上げます。一寸前にもふれましたが本案は教育委員会法改正に伴い村議会に初めて提案されるわけであります。教育時報でもご承知の通り教育委員会からの要求は多額に上って居りまして五、六回にわたって調整を重ねて参りましたその結果は税収による6,641ドルではとうてい教育運営が出来ないので21,300余ドルを「カバー」することに致しました。
1、PTAが教育委員会に替って負担していると考えられる給食婦の費用であります。これが小学校二人中学校一人で給料(日額)期末手当、退職積立金と1,298ドルと学校の備品消耗、修繕等PTAが負担、補助している額中学校(587ドル)小学校(1,562ドル)の計3,447ドル
2、教育行政費に約560弗の増を認め
3、両校の備品その他今まで購入を我慢していたと主張されるもの及学校運営に要する経費として調整致しました。

よろしく慎重にご審議下さいますようお願申上げます。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000419-0001
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第8号(1966年8月)
ページ 1-2
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1966/08/10
公開日