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『としよりの日』に盛大に敬老会

 9月15日の「としよりの日」に村内七十才以上の高令者383名を招き恒例の敬老会と、今年からはじめて、満八十才以上の方々72名に敬老年金の贈呈式と村老人クラブ連合会の結成式を午後二時から佐敷小学校運動場で会員、来賓、村民多数が出席して行った。
▲開会の挨拶につづいて、▲国歌、村歌の斉唱 ▲敬老年金贈呈、▲村長から全員へ記念品の贈呈があり、▲九十七才のカジマヤーを迎えられる字兼久の外間ウシさん(屋号外間)字仲伊保玉寄カメさん(屋号赤目玉寄小)のお二人と八十八才のトーカチの字佐敷安谷屋ツルさん(屋号安谷屋小)字手登根嘉数マカさん(屋号数)字仲伊保奥間オトさん(屋号奥間)に行政主席代理建運局石垣次長から、主席からの記念品の贈呈があり、▲村老人クラプ連合会結成準備の経過報告ののち、▲村老人クラブ連合会長渡名喜元秀氏の挨拶 ▲●田主席の祝辞を石垣建運局次長から代読、▲長寿者代表知念忠亀氏の謝辞、▲嶺井村議会議長の音頭で萬歳三唱 ▲閉会後ひきつづき余興にうつり、与那城村字屋慶名の青年会員男女百余名による一時間余にわたるエイサーの公演があり、中校女生徒百余名による、鼓笛隊も参加して盛会であった。

式辞
 本日本村恒例の敬老会並びに老人クラブ連合会の結成式を挙行致しましたところ大田行政主席殿を始め、来賓多数の御臨席の下に、斯くも盛大に式典を挙行できますことは、本村の最も光栄とするところでありまして、関係者各位に心から厚く御礼を申し上げます。
 次に村の大先輩であられます、七十才以上の方々に御挨拶申し上げます。
 本日は皆様の御長命と今後の御健康を祝福申し上げる意味で御案内申し上げましたところ、全員御揃いで御出で下さいまして、真に御苦労様で御座います。
心から厚く御礼を申し上げます。
 本日九9月15日は「としよりの日」と致しまして、日本本土と同じように沖縄に於きましても、御年寄りの方々に尊敬と感謝の念を捧げ、そして総ての社会の人々が、敬老の精神を昂揚して、いこうと言う、意義深い記念日であります。
 本村では毎年このような敬老会の行事を、とり行って参りましたが、今年は特に村議会とも相諮りまして八十才以上の方々には、わずかではありますが、毎年敬老年金を差し上げることに致したのであります。
 斯様に致しまして、年と共に村民各位の敬老思想が高まりつつありますことは、真に慶ばしい限りであります。
 本日の敬老会に御招待を申し上げました七十才以上の方々が383名いらっしやいますが、その内今日敬老年金を受けられました八十才以上の方々が72名で、最高年令は今年カジマヤーのお祝をなされます九十七才の方が御二人も御健在でありまして、真にお目出度いことであり、我が佐敷村は長寿村として大いに諮りたいと存じます。
更に今後は益々御健康で全員が百才以上も御長命下さるよう、心から念じて止まない次第であります。
 この様にして皆様が、御若い頃から健康体であられまして、その生涯の殆んどを佐敷村の基盤建設のために尽して来られた皆様の御労苦を思いおこすとき、しみじみと感謝の念が胸一杯湧いて来るのであります。
その御労苦と親心に対し、心から深く感謝申し上げる次第であります。
 更に私達は先輩各位が、先祖代々から受け継いで来られました、この佐敷村の美風を益々昂揚致しまして、佐敷村が今後更らに繁栄するよう努力し、皆様方の御恩に報ゆる覚悟であります。
 どうか今後共御自重御自愛下さいまして、子孫繁栄のため、又村発展のため私達後輩に御指導と御助言を賜りますよう特にこの席から御願い申し上げる次第であります。
次に最近村内各部落に老人クラブが組織され、本日ここに村連合会が結成されますことは、老人福秘事業促進のため、大きな推進力となるものであり、関係者各位の今後の御活躍に期待し、私達も側面から大いに御協力申し上げる考えであります。
 本日は私達、村の若者達が皆様方を御慰安申し上げる意味で、与那城村屋慶名のエイサーを招待し御覧に入れる事になっておりますので、どうか最後まで、御ゆっくりと御覧下さいますよう御願い申し上げます。
 尚屋慶名の青年団員各位が遠路をもいとひなく、佐敷村まで、御足労いただき本村の敬老会を一段と意義あらしめた事に対し、感謝申し上げ、屋慶名区の御当局の方々に対し厚く御礼を申し上げる次弟であります。
 終りに当り敬老会の皆様方の御健康と御幸福を御祈り申し上げて本日の御挨拶に代えます。
 1964年9月15日 佐敷村長 当真嗣善

七十才以上の高令者を代表して

謝辞

本日の「としよりの日」に村では村長さん始め、来賓の方々多数御臨席の下に我々七十才以上の者383名をお招きされて、敬老会を、かくも盛大にお催しいただき、村長さんから色々と御吋重なる御祝詞を下され、八十才以上の者には敬老年金まで賜り、また全員に結構なる御祝いの品などいただき、御礼の言葉も御座いません。
 村長さんからの御言葉通り益々健康に気をつけて、余生を愛し、少しでも年寄りは年寄りなりの御役にたちたいと思いますので、今後とも何卒よろしく御懇親の程を御願い申し上げます 誠に簡単ではありますが会員一同に代りまして御礼申し上げます。
 誠に有り難う御座いました。
 1964年9月15日 七十才以上高令者代表 知念忠亀

祝辞

本日の敬老会に御招待なられた皆様方、御目出度うございます。
 お元気な皆様の前で、こうしてお話の出来ることを私は最も光栄だと思っております。
「トシヤトテソ チムヤチヤー十七、八」と言うように若々しく、そして今までは若い者に負けるものかという表情が今日の皆様方には表われています。どうそ皆さん、今日のこの若々しい元気なお姿で毎日をお過し下さるようお願いします。
 それから、こうしてお年寄をお招きして盛大に慰安をして下さいました村当局に対し、厚く御礼申し上げます。
 私達の郷土がこのようにさかえ、みんなが安心して毎日を過すことが出来るのも、皆様方が長い間いろいろの面に御活躍下され、私達をよくみちびいて下さったお蔭だと感謝しております。
 皆様方の御労苦に対し、感謝をし、今後健康で長生きして明るい生活をしてもらうために9月15日を「としよりの日」と定め、この一週間をおとしよりのための福祉週間として、各地で色々ともようしをして皆様をおなぐさめしております。
 御承知のように今は人生七十といわれ、昔より二十年も命が伸びているといわれております。わが沖縄においても、老令人には年々増加してきておとしよりの福祉対策が各面でさけばれるようになりました。
 琉球政府では、去年からおとしよりのための予算をくんで記念品をあげたり、老人クラブに援助をしたりしておりますが、今後もなお一層力をいれるつもりでおります。又市町村でも敬老年金を差し上げるところが多くなりました。
 どうぞ皆様方も迷信や古い習慣にとらわれずに若い人達と共に新しいこれからの時代を明るく過されるようにつとめていただきたいと思います。
 最後に、皆様方が今後益々ご健康で明るい生活を送られ長命して下さらんことをお祈りして私のお祝の言葉といたします。

1964年9月15日 行政主席 大田政作

老人クラブの会長さん紹介
 村内各字に老人クラブ、村に老人クラブ連合会が結成されておりますが、村ならびに各の老人クラブの会長さんはつぎの方々であります。
△佐敷村老人クラブ連合会長 渡名喜元秀、副会長 知念忠亀△字津波古老人クラブ  城間周吉、△字小谷老人クラブ平田保三、△字新里寿クラブ勢理客致盛△字兼久老人クラブ   目取真興存、△字佐敷寿クラブ平良秀行、△字手登根デイゴ会富城助蔵、△字伊原老人クラブ山内昌亀、△字屋比久老人クラブ新垣太吉、△外間区老人クラブ呉屋文助、△字仲伊保老人友の会知念忠亀、△字冨祖崎老人クラブ知念述尋
以上の方々であります。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000414-0001
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第3号(1964年10月)
ページ 1
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1964/10/26
公開日