夏は青少年の非行や犯罪の多く発生する季節であり、また水難および交通事故等も増加する傾向にあり、さらに最近は家出青少年もかなり多くなりつつあります。児童生徒たちは長期間の夏休みで「ややもすると気がゆるみがちになり、不規則な生活による非行や事故などをひきおこすことが数多くなる。それでこのような犯罪、非行や事故等から青少年を守り、その健やかな育成をはかりましょう。
(イ)夏季は暑さにより体の抵抗力が減退し、しかも生活の乱れによって、各種の疾病にかかる危険性が高いので、このため青少年が不規則な生活をしないよう指導すると共に、食品衛生、環境衛生について特に、各家庭の協力と積極的指導により、その徹底をはかりましょう。
(ロ)健全なレクリエーション等の指導について青少年の健康を推進させるために、体育、健全なレクリエーションの指導と、これら施設の整備ならびに場所の提供をはかりましょう。
(ハ)青少年の生活秩序は次代をになう青少年の道徳意識を高め青少年が、自主的な判断力をもって、秩序ある社会生活をおくることはきわめて大切なことである。このため青少年および、社会の人々が、社会生活の正しいあり方、青少年の立場、家庭における、しつけの問題などについて、研究し、青少年が自主的に、正しい生活秩序を身につけるよう指導しましょう。
(ニ)オリンピック精神の高揚
歴史的なオリンピック東京大会沖縄聖火リレーが9月6日から9日までの間に実施されましたが、青少年が崇高な、オリンピック精神によって強く正しく豊かに生きていくための気はくと強健な体を養うよう各種スポーツを奨励するとともに、その適切な指導を行ないましょう。
▼青少年の非行防止をはかるために
(イ)長期にわたる夏休み中は、とかく生活も乱れがちであり、これに伴う夏季特有の性的な不良行為等、青少年の非行が発生しやすいので、生活指導には特に力をいれ、その健全な育成につとめよう。
(ロ)街頭補導の実施
問題青少年の早期発見、早期補導及び、被害防止のため、各課程、全村民が協力して指導を実施し適切は補導対策の推進につとめましょう。
(ハ)「声かけ運動」の実施
村民全体が自分の子どもだけでなく、すべての青少年に対してやさしい愛の一声をかけて、あたたかく善導する、「声かけ運動」を実行することに致しましょう。なお、「声かけ運動」は全村民の運動としての機運を一段と盛り上げ、その継続的な実践運動を行ないましょう。
(ニ)大人の生活規範の確立
青少年非行や犯罪を誘発するような、大人自身の好ましくない生活態度を是正して、日常の生活規範の確立につとめましょう。
▼青少年を水および交通事故から守りましょう。
(イ)水難防止対策として
危険場所の表示をして、毎年事故などが発生している場所においては、もっとも見やすい方法で、危険の表示、又柵を設けるなど、適切な方法により、事故の未然防止につとめましょう。
(ロ)交通事故対策としては
交通法令並びに、交通道徳の遵守の徹底を期するとともに、安全な遊び場所の確保につとめて積極的に青少年の保護対策をいたしましょう。
▼非行少年(刑法犯、触法など)
年別調べによると
1961年は2,067件、1962年に3,389件、1963年は4,879件と年々増えております。
こどもの交通事故調べでも1963年中に幼児の死者14名、負傷者185名、小学生の死者4名、負傷者149名、中学生の死者3名、負傷者393名合計414名の死傷者を出しております。
水難事故でも1963年に36名のうち6名は救助されて残りの30名が水死するという、非行児、交通事故、水難事故など毎年増加の傾向にあることを統計が示しております。
“日に一度我が子にくばれ目と心”