なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

本土と沖縄のかけ橋 松山と佐敷の子供交歓計画

「佐敷小、中両校の生徒と、愛媛県松山市の小、中校生の交歓会をもつことにしよう」という話し合いがすすめられている。
 そのことを、発案した人は愛媛県に住む伊達泰介氏。
 毎年夏休みには松山市から沖縄へ学童を数十人送り、冬休みには沖縄から松山市へ同数の学童を見学、勉強に招こうというもの。まず条件としては
 ▽沖縄から鹿児島までの運賃は往復ともに沖縄側(父兄負担)がもつこと。
 ▽鹿児島から四国の松山までの運賃と滞在費一切は松山側(交歓生の父兄)が負担すること。松山市では各家庭に分宿し、それぞれの同級生の家で、そこの生活、習慣、勉強法などを学びとり、また、市内見学、学校見学などを行なう。
 ▽引率者は学校の先生または父兄(PTA)から一人ないし二人随行する。

松山市から沖縄に来る交歓生も同様で、松山市から那覇までの運賃(往復)は松山の父兄負担で、那覇港から佐敷まで、その滞在一切は地元で負担する。もちろん、沖縄でも各家庭に分宿させて、沖縄の生活を学びとらせるというわけ。
 このことは、さらに学校側と打ち合わせて具体化されようが、本土に行きたくても行けない子供たち、また、沖縄に来たくてもなかなかこれない本土の子供たちの、健全な交歓の場として、広く一般からも受けるだろうというのが、伊達氏の意見。
 以上の話をきいてきたのは、佐敷村学対協会長の宮城鷹夫氏(沖縄タイムス企画局次長)で、伊達氏は吉金四郎(高智)先生の近くに住む松山PTAの幹部。もと愛媛新聞の記者で、まだ沖縄に来島したことはないが、大の沖縄びいきである。

教育だけはゆがめずに
伊逮泰介氏の話
 子どもたちの交歓については、早速二学期のはじめに父兄会に提案します。また、その線とは別に、愛媛県経済同友会(私も幹事の一員)の幹事会にはかったところ、全幹事とも積極的に賛成してくれた。9月の例会に提案することになっている。
佐敷の方でも積極的に推進してもらうようおねがいしたい。せめて教育だけは、何ものにも左右されず、ゆがめられる事なく、私たちの手で正しい進路を切り開いていきたい。できれば交歓の前に図画、作文、習字、工作、写真など、小学校上級生と中学生の作品を交換したり文通させたりしたいと思うので、よろしく。

宮城鷹夫氏の語
本土出張中に吉金先生のご紹介で伊達氏と知り合い、いまの子供交歓の話が出た。趣旨は大いに賛成だったので、近く小学校、中学校、それに村当局と協議して、できれば実現したいものである。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000413-0005
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第2号(1964年9月)
ページ 1
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1964/09/15
公開日