数年前から編集をしていた佐敷村誌(三百余ぺージ)が、このほど発刊、7月9日午後5時から役所ホールで関係者百余人を招き村誌発刊報告会を行った。村誌編集委員の瀬底正俊、真栄城勇、宮城鷹夫の三氏と印刷製本者の南陽印刷社伊志嶺賢二氏に村長から記念品と感謝状が贈られた。
本村は今を去る五百余年前の昔三山統一の大偉業をなしとげた、英雄尚巴志王の生誕の地として歴史的にも有名であり又本村は琉球発祥の地知念、玉城の両村に隣接して、史的内容も実に豊富であり多くの史跡が残されているのであるが、第二次世界大戦のために村に伝えられてきた総ゆる歴史的資料を消失してしまった。近年このことを心配して、古老先輩などから、昔から伝わってきた、口碑伝説などを参考にして資料を取りまとめ、これを集録して子孫に伝えるためにこのたびの村誌発刊の機運がつくられた。
古きをたずねて新しきを知るという事は、即ち郷土の歴史を知り、先祖の偉業をしのび、その良さと偉さを知ることによって、わが郷土を愛し、心の寄りべを求めることであってひいてはこのことが、私達に勇気と誇りを与えやがては人づくりの指標となり、又郷土建設の糧ともなるのであるとの見地から、村誌の発刊については1957年当時の村長津波元八氏を中心に、村議会を始め、多数村民有志の間で、話し合いが進められ、村誌編集委員会が設立されて、その後瀬底村長の代を経て今日まで数年の長い年月と編集委員各位の労苦が積み重ねられて、ここに村誌発刊という多年にわたる私達の夢が実現したのは編集委員の瀬底正俊、真栄城勇、宮城鷹夫の各氏が極めて多忙な自分の本職のかたわら村誌編集の繁雑な業務を引き受けて日曜、休日を返上し、或は夜間まで執筆して真に全精魂を打ち込んで編集に当たったお陰であり、編集委員各位の、心からなる協力と労苦に対し、なお資料の提供等、その他各面に亘りご協力下さいました村議会を始め、有志各位並に先輩の方々に対し心から感謝するところである。なお同村誌は村役所で頒布価格1ドル50セントで希望者に阪売している。