なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

本格的な土地調査始まる 日本政府の援助で実施 

現在村役所備付保管の土地図面と台帳は、今次の大戦で、あらゆるものが灰燼に帰し、戦後1952年に土地の図面と台帳、所有権が認定されたもので、当時は測量器具もなく、あり合わせのベニヤ板の切れはしで手製の平板などを使用し、巻尺や間縄も電線などを利用して、ほとんどの市町村の図面が素人の手で測量して出来たもので、実際の現場の土地と図面が合致しなかったり、図面と現地の坪数に差があったり、地形等が図面と違ったり、絶対に正確なものとは言えません。
そこで琉球政府では土地調査を計画して、その費用を計算してみたところ、膨大な費用を要することから、とても琉球政府の予算では無理だということで、日本政府に資金の援助をお願いして、全額日本政府の援助資金で、年次計画を立て、全琉市町村の土地調査をすすめることになっておりますが、1965年度で本村の土地等差が始まることになっております。この調査は皆さんのため、子孫のための大切な事業でありますので、その意義をよく理解し、ご協力下さいますようお願いします。

地主の皆さんへ
私達の持っている土地の境界線の正しい測量が始まります。この調査測量のことを地積調査と呼んでいます。
地積調査は土地の戸籍の調査であり、正しい測量によって正しい地図と、正しい地籍簿を作り、皆さんの土地の正しい位置、形、地番、地目、面積を明らかにするための調査です。これが出来上がりますと、皆さんの所有権を保護するばかりでなく、安心して土地の売買ができ、土地改良事業、その他の土木事業などがたやすく実施することができます。

では地主はどのような協力をしたらよいか?
隣との協会の正しい位置に境界杭を打ちます!
赤いペンキのついた杭を目標にして測量を実施します。宅地はもとより田、畑、山林、原野をはじめ、農道、河川、土地のすべてを測量の対照にしてくまなく実施します。そうして正しい図面が出来上がります。
それをもとにして個々の土地の面積を計算しその結果を新しく出来る地籍簿に記録します。その地籍簿にはいろいろなことが記録されます。例えば正しい所有者と正しい住所、地番、地目等土地に関するあらゆるものが記録されるわけです。
私達には戸籍があるように土地にも戸籍があります。これを地籍と呼んでいます。

皆さんに閲覧します
念のためもう一度確かめよう
このようにして出来上がった新しい地図と地籍は調査、測量の際にまちがいがないか、もう一度たしかめてもらうために閲覧が行われます。その期間は公告のあった日から30日間です。その期間内に自分の土地はもれなく、目を通して確認してください。もし違った個所がありましたら前の公告の日から40日以内に異議申立をしてください。異議申立の訂正が終わりますと、現在の古い地図や土地台帳を封鎖してそれにとって変わるわけです。

皆さんのための調査です
明るい生活は地籍調査から
明日の農村建設、村造りに協力しましょう。

この地籍調査は膨大な経費がかかりますので、たびたび実施するわけには行きません。今度の地籍調査で自分の財産を正しく確保し、子供の時代、孫の時代まで境界の争いのない安心した生活の出来るようにしたいものです。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000413-0001
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第2号(1964年9月)
ページ 1
年代区分 1960年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1964/09/15
公開日