1963年11月23日午後2時から、津波古区事務所で、村議会議員、農協長、区婦人会、区有志ら多数が列席して、簡易水道改修工事費として、高等弁務官資金1880ドルの小切手が、弁務宮代理米国民政府渉外室副部長ベネット氏から佐敷村長当真嗣善氏への交付式があった。
同区では腐朽破損パイプを取り替え水源地からくる水を貯水地にためて、随所にホストを立て、各戸に給水する計画で、工事費の不足額を字民で負担して、これまで毎年のように夏季のカツ水期や千バツ時の飲料水不足で困っていた、500余戸2000区民が水不足のなやみから解消されることになり、近々の中に工事着工の運びとなっているので、竣工のあかつきは、飲料水や用水が、ふんだんに使えるようになると早くも区民から大きな期待がかけられている。
弁務官資金とは
弁務官資金とは「高等弁務官の意志で、琉球住民のために使われる資金で、これまで本村で、この資金の交付のあったのは1960年度に字津波古地内排水路工事資金3000ドルと字対里の簡易水道施設資金2500ドル、1961年度に字仲伊保の天水貯水タンク建設資金2240ドル、それに1962年度字富祖崎の天水貯水タンク施設資金3696ドル、1964年度字佐敷の水道施設資金3205ドルと今回の字津波古の簡易水道工事資金1880ドルの6回目の交付で、計16,521ドルの高等弁務官資金の交付を受けている。