光輝ある新春を迎えられた村民の皆様方に謹みて本年度における当農協の抱負と、皆様方の後協力方について村広報を通じて御話し申上げさせて載きますことをこの上もない幸と思います。さて当農協に於きましては昨年度より農林漁業中央金庫指定によるモデル農協として発足してから一年、皆様方の切なる御協力のもとにその実績を上げつつありますことは皆様方と共に喜ばしいことと思います。
昨年の異常干魃により、キビの減収を心配していましたが、さいわいにして当村においては心配した程のこともないような気が致し、予定通りのキビ代が農協を通じて支払いされるような気が致しますので、今年こそ貯蓄に対して真剣に考えて戴きたいと思います。農業合理化に乏しい当村にとって、また来るべき砂糖の自由貿易によりキビの価下り等に対して真先に無言の戦をいどんで下れるものは先ず貯蓄だと思われるからであります。華美な消費生活をはぶいて当農協の本年度貯蓄目標額40万ドル(64年6月末日)を達成させて戴きますように切に御協力を迎ぎたいと思っています。又農連第一製糖工場と西原製糖工場との合併の問題についても皆様方の深い関心の的となっていますが、糖業合理化の基本的方針により、たとえ株式会社への鞍替えを余儀なくされようとも、株の百パーセント的収得により農民の株式製糖工場として発足される事ができることになりますので、当組合の増資目標額本年度2万5千ドル達成に依り皆様方の工場にすることがでますので、この度の増資計画と実施については皆様の御賛同を得て実を結ばさせて戴くことにより、モデル農協として名実共に限りなく繁栄する組合ができると思いますので、皆様方の懇切なる御協力と御鞭達を御願い申し上げ村民皆様方の福祉の向上を心より御祈り申上げまして私の言葉と致します。
佐敷村農業協同組合長 宮城篇仁