1963年9月28日開会の、第96回村議会定例議会で「佐敷敬老年金支給条例」をきめた。
この条例は高令者に対し敬老と長寿を祝福し敬老年金を給し、その家庭平和と村民の敬老思想を高揚しあわせて老人の福祉の増進を図ることが目的である。該当者は6ヶ月以上引き続き村に居住しているもので、当該年の9月15日現在において満八十才を超える高令者となっていて、敬老年金の額は一応年額五ドルの僅かの額であるが、しかし今後は財政の許す範囲で次第に増額していく方針である。この事を一老人に話して見たら、「この年をしてお金の使いみちもありませんが、孫たちがオジイチャンオバアチャンと言って寄ってくるのは、アメ玉を買ってやったり、小づかいがもらえるからですよ。何も孫にやる事ができないと厄介もののような目で見られたものでした。だがこれでもう安心です。アメ玉も学用品でも買ってやれますから」とシワくちゃの顔をますますシワくちやにして永生きしてよかったと喜んでいた。
村の敬老年金支給条例はつぎのとおり。
佐敷村敬老年金支給条例
(目的)
第一条 この条例は本村に居住する高令者に対し敬老と長寿を祝福し敬老年金を給し、その家庭平和と村民の敬老思想を高揚し併せて老人福祉の増進を図ることを目的とする。
(受給資格)
第二条 敬老年金は本村に引き続き6か月以上居住している者で当該年の9月15日現在において満八十才を超える高令者に対して給付する。
(年金の額)
第三条 敬老年金の額は年額5ドルとし9月に支給する。
(申請及び決定)
第四条 敬老年金は本人その扶養義務者、もしくは同居者又は区長の申請に基づいて尊重がその給付を決定する。
(資格喪失)
第五条 敬老年金の給付を受けるものが次の各号の一に該当するときは、敬老年金の給付を受ける資格を失う。
一、死亡したとき
二、佐敷村に居住しなくなったとき
三、その他村長において年金の給付が適当でないと認めたとき
(住所変更及び資格喪失の届出)
第六条 敬老年金の給付を受ける者が、その住所を変更したとき、もしくは前条第一号及び第●号に該当するとき、または年金の給付を辞退するとき、本人その他扶養義務者もしくは、同居人は区長を通じて、その旨村長に届出なければならない。
(給付及喪失決定の通知)
第七条 村長は年金給付の決定をしたとき、もしくは第五条第三号の規定により受給資格の喪失を決定したときは速かにその旨区長を通じて本人に通知しなければならない。
(贈与の禁止)
第八条 敬老年金は名義人の如同にかかわらず他人に贈与することはできない。
附則
この条例は公布の日から施行する