なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

非行少年 進む低年齢化 14・15・16歳で全体の七割を占める

連日のように、少年非行がニュースで報じられていますが、この深刻な状況は、数字の上にも、はっきり表れています。
まず第一に挙げられるのは、刑法犯少年、つまり刑法に触れる罪を犯した十四歳以上、二十歳未満の少年が増えていることです。五十六年一月から十一月までに補導された少年は十六万八千人を超え、前の年の同じ時期に比べて約一万八千五百人、一二%の増加率になっています。
これを年齢別に見ますと、最も多いのが十四歳、続いて十五歳、十六歳の順で、これら三つの年齢を合わせると十二万人を超え、全体の七割以上を占めています。このように、低年齢化、とりわけ中学生の非行増加が一層目立ってきたのが、最近の特徴的な傾向です。
非行の種類で最も多いのは窃盗。
単純な動機で万引きをしたり自転車などを盗む、いわゆる“遊び型非行”が依然として目立っています。また、これまで年々減っていた粗暴犯、知能犯が増加に転じているのも新たな傾向で、校内暴力事件の増加はその表れの一つです。

非行の兆しを知ることが防止への道
少年非行の防止は、今や国民的な課題と言ってもいいでしょう。しかし、少年たちは、ある日突然、非行に走るわけではありません。注意していれば必ず見いだせる“前触れ”があります。
例えば、子供の言葉遣いや態度に変化か見られた場合です。
何かというと、投げやりな言葉を吐いて、真面目な生き方を軽ベつするような態度を見せたり、すぐに分かるようなうそを言って、それが親や先生に知れても平気というような様子が見られる時などは、非行化への注意信号がともっていると考えられます。
また、親のよく知らない友達がいつの間にか増えていて、名前を聞いてもあいまいな返事をするとか、外出先や帰宅時間がはっきりしなくなってくることなども、要注意です。
そのほか、食べ盛りなのに、夕食に手を付けないことが増えたようなときは、学校帰りにスナックなどに寄り道している場合か多いようです。生活時間をキチンと守らせ、友達づきあいについても、時には親同士が連絡をとって確認し合うなど、子供の生活の輪郭をしっかりつかんでおくことが大切です。
一方、非行に向かう初期の段階で、少年たちのほとんどが喫煙を経験します。ポケットにたばこが入っていたり、においがするようなときは要注意です。
もし、近所の少年がたばこを吸っている姿かけたら、ひと声かけて注意してほしいものです。大人がしっかりスクラムを組んで、早いうちに非行の芽を摘み取るようにしたいものです。

ダウンロード https://docs.google.com/uc?export=download&id=15DJoa2oCgPsdlg_UYQJfqhC6nR6QCOyv
大分類 テキスト
資料コード 008540
内容コード G000001352-0003
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねん 第19号(1982年3月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1982/03/31
公開日