家族のだれかが、ある日突然に病気やケガをしたりしたとき、もし健康保険がなかったらどうなるでしょう。
多額の医療費の負担に家族みんなが、肉体的、精神的苦痛だけでなく、経済的苦痛までも背負いこまなければなりません。
このようなことのないように日ごろから収入に応じてお金を出し合い、いざというときにそなえようという相扶共済の精神から生まれたのが今日の「国民皆保険制度」です。
この制度を維持していくためには、国民のすべてか、なんらかの保険に加入することになっています。このためには、「病気などしたことかないから」などという自分本意の理由で保険の加入を拒否することはできません。

治療費の一部負担
あなたが、国保を取り扱っている医療機関(保険医という)で、保険証を提示して診療を受けると、かかった医療費の三割を負担していただくことになります。
残り七割については、あとで市町村より医師に支払います。

保険料(税)
国保に加入すると、保険料(税)を支払う義務を負わなければなりません。納めていただく保険料(税)は、国の保助と合わせてみなさんが、病気やケガをしたときの医療費をはじめ、子どもが生まれた(助産費)り、家族がなくなった(葬祭費)ときの給付に必要な費用にあてられます。
このように、保険料（税）は国民健康保険を運営するための重要な財源なのです。

保険料(税)のきめかた
保険料(税)については、基本的には保険で必要とされる費用のうち、保険料(税)でまかなわなければならない分の総額の合計額を次の四つの項目にふりわけて、それぞれについて、個人負担額を計算し、その合計額を一年間の保険料(税)としています。
(一)所得割…世帯の収入に応じて計算する。
(二)平等割…一世帯にいくらと計算する。
(三)口均等割…加入者数に応じて計算する。
(四)固資産割…世帯の資産に応じて計算する。

保険料(税)の通知
保険料(税)は、年度はじめに各世帯の年間の保険料(税)をきめて、各家庭の世帯主宛にお知らせします。納付書が届いたら早めに納めましょう。保険料(税)は資格ができたその日から他地区から移転したときや、他の健康保険をやめて、国保の被保険者として加入する場合、国保の査格はその翌日から発生しますので、届け出が遅れるとその分までさかのぼって負担しなければなりません。
届け出は早めにすませましょう。

こんなときには届け出を
この届け出は、異動があった日から一四日以内にすませましょう。

はいるとき
・他地区から転入して来たとき
・退職などで職場の保険をぬけたとき
・健保の扶養家族からはずされたとき
・国保組合からぬけたとき
・生活保護をつけなくなったとき
・子供さんが生まれたとき
やめるとき
・他地区へ転出したとき
・職場の保険に入ったとき
・健保の扶養家族になったとき
・国保組合に入ったとき
・生活保護をうけることになったとき
・死亡したとき
変更
・住所、世帯主、氏名、続柄など変ったとき
被保険者証
・保険証をなくしたり、よごして使えなくなったとき
・修学のため他地区に住んでいた学生か親もとに帰って来たとき
・旅行などで別個の保険証かはしいとき
保険税はどう使われるか
高い保険税
保険税が高い、という声をよく耳にします。たしかに、めったに病気などしたことない家庭にとっては、高い、という印象を持たれるのは当然かもしれません。
なかには、ムダに使われているのではないか、などという疑念を持たれる向きもあるかもしれませんが、保険税は、みんな医療特の支払いに当てられ、それ以外には一切使われません。もちろん、保険税だけで医療費のすべてをまかなえるわけではありません。医療費は次のような割合で負担されます。
医療費の三〇%…診療をうけるとき患者か負担
医療費の四五％…国が負担
医療費の二五％…保険税として被保険者が負担
つまり、保険税で医療費の二五％をまかなうことになっているのです。保険税が高いのは医療費がたくさんかかるからなのです。

保険税のきめ方納め方
問？保険税はどうしてきめられるのですか

医療費に応じて
国保の場合、保険税の額は、基本的にはその年の医療費に応じてきめられます。まず、その年の医療費がどのくらいになるかを予測し、その額から受診のとき患者が負担する分(三〇%)と、国の負担する分を控除した額が、保険税として課税される総額になります。
国の負担は、おおまかにいうと、医療費の四〇％と、保険者の財政力に応じて交付されるもの（平均で医療費の五％）との合算額です。
つまり、平均四五％を国が負担するわけです。
したがって保険税の総額は、平均的には、医療費の二五％ということになります。このように保険税の額は医療費によってきめられますから、原則的には医療費がふえれば当然保険税もふえることになります。

課税額の決め方
各世帯ごとの保険税の額は次のようなものを基礎として決定されます。
１．世帯別平等割額　各世帯に均一の額
２．被保険者均等割額　各世帯の被保険者数に応じて一人あたりいくらと計算した額
３．所得割額　前年度の収入から一定額を控除し、その額に一定率を掛けた額。
４．資産割額　その年の固定資産税に一定率掛けた額。

いつから払うか
保険税は被保険者となったその月から納めなければなりません。被保険者になった月というのは、市町村役場で、加入の届出をしたときからでなく、職場の健康保険をやめたとき、あるいは他の市町村から転入して、その居住地に住みはじめたときをいいます。
届出がおくれると、この被保険者になったときまでさかのぼって保険税を納めなければなりません。

保険税の納め方
保険税の額はきまり次第、納税通知書でお知らせします。年度の途中で職場の健康保険に入ったりやめたりしたときには、そのつど世帯主の届出によって保険税を計算し直しお知らせします。納入方法は、納税通知書に書いてあります。

納税義務者は世帯主
保険税を納めなければならない人のことを納税義務者といいますが、その人は世帯主です。ですから、たとえば世帯主が勤務先の健康保険にはいっていて、国保の被保険者でなくても、その人の家族のだれかが一人でも国保にはいっておればその世帯主が納税義務者となります。