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運動健康法 酸素を吸って活力アップ①

運動をしないで美食すると、余った栄養は脂肪として蓄積され、肥満となります。肥ったからだには、多くの酸素と栄養を運ばねばならないので、心臓に負担がかかります。おまけに脂肪は、コレステロールとして血管の壁にまでついて動脈硬化の原因となり、高血圧や心朦病を生みます。
このように成人病の大半は、運動不足がひきがねになっています。こうした運動不足病は、結局運動療法によって解決するしかありません。
運動の方法は症状によっていろいろありますが、まず少しでもからだを動かして、自分の体質を改善しようという意欲を持つことがかんじんです。

運動をその効果の点から大きく二つに分けると、酸素を非常に多く使う酸素運動(エアロビ
クス)と、筋力は使うけれども、時間が短いので、あまり酸素を必要としない無酸素運動(アネロビクス)に分けられます。

酸素運動とは
ランニングなどのように 全身運動をゆっくりしたペースで長く続けていると、呼吸がハア ハアとはずんで、息づかいがあらくなります。この状態で、たくさんの空気を吸い込みながら一定時間続けることが酸素運動です。
肺に空気を吸い込むと、そこでは空気から酸素を体内にとり入れ、炭酸ガスを排出するガス 交換作業が行われます。酸素は我々のすべての活動の源ですから、酸素を多くさんとり入れることは、それだけ活動を活発にし、健康やスタミナの強化にもつながるわけです。
しかし、いくら空気ばかり吸い込んでも、それだけでは酸素が吸収できるわけではありませ
ん。酸素はエネルギーを燃焼させるときに消費しますから、運動によってエネルギーを消耗することによって、身体が酸素を要求し、それだけ多く酸素が体内に入ってくるしくみになっているのです。

無酸素運動とは
重量あげや体操などは、あまり酸素を必要としないので、無酸素運動(アネロビクス)とい
います。
こうした運動は、筋力を増やしたり柔軟なからだにしたり、しょう性を高めたりする基礎 的な運動能力は養いますが、呼吸や循環の機能を高めて、全身の持久力をつけるには不十分です。特にバーベルを力んで持ち上げたり、短距離を息を止めて走り抜けるなどの運動は、酸素がほとんど入ってこないばかりでなく、中年層では脳血管障害の原因にもなるので、注意を要します。

健康によい運動は酸素運動
運動不足病を解消するには、酸素運動でなければ本当の効果あがらないことが、最近の運 動生理学の研究の結果わかってきました。
つまり、健康によい運動とは、力を出したり、一気に走ったりする運動ではなく、全身の筋肉を使った軽い運動で、肺や心臓が軽快にはたらく運動を時間をかけて行うことです。
こうした運動の効果をあげるためには、最低五分間は続けて運動する必要があるとされています。その速さや強さは個々人の体力水準でまちまちですが、運動の直後の脈拍数によって、自分の体力に適した速度を決めるのがよいでしょう。実際に以上運動を続けて、その直後の脈拍数を数えてみるわけです。一分間数えると、脈拍が少なくなってきますから、直後の10秒間を計ってそれを六倍するとよいでしよう。
いろいろな速度で計ってみて直後の脈拍数が120~130になったとき、それがもっともふさわしい速度になります。この速度で一日少なくとも5分以上、これを週3回以上行うようにすれば、回数が増えるにつれて効果がはっきり出てきます。あせらず急がず、楽なところから徐々にレベルを上げていきましょう。

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大分類 テキスト
資料コード 008362
内容コード G000000339-0003
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねん 第37号(1985年8月)
ページ 4-5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1985/08/05
公開日