佐敷町の皆さん。私たちカンカラーの声なき声を聞いてください。
……時移り、世が変り、なんと便利なウチユになったことでしょう。
今は昔、もし秀吉が生きていたなら自動販売機の冷たいジュースをフトコロで暖めて主君信長公にさし出しただろうか…と、超近代的ないれ物の中でこの上もない幸せの絶頂にひたりながら、アグラをかいてこんな事を考えていたら、人の心の冷たさよ! 自分の欲望を満たしたら“ポイ”ですよ。
いかに使いすての時代だからってあんまりですよね。道端、草むら、広場の片すみ所かまわずカンカラのフーテン族の集団です。
ところが、このあわれな、私たちフーテン族を見かねて、佐敷町婦人会の素敵なおばさんたちが、カンカラー救済に立ち上がってくれたのです。
あれはたしか去年の9月頃だったでしょうか、新開球場の草むらの中で今にも死にそうになっている私たちを見つけて助けてくださったのです。町をきれいにし、さらに、私たちを再び世の中の役に立たせる為だそうです。
すでにトラック1台分の私たちの仲間が集められ新しく生れ変る日を首を長くして待っているのです。(婦人会通信部 K・M)